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小さな工務店こそ必要なマーケティング戦略の考え方~売れる仕組みの基本づくり~

小さな工務店こそ必要なマーケティング戦略の考え方

当社は中小・地方企業様のブランド構築やデジタルマーケティングをメインとした集客支援を行っております。その中でも、工務店や不動産などの住宅業界をはじめ、医療・製造業など各業界ごとの集客勝ちパターンを体系化し、業界特有の課題を解決するためのノウハウ開発を行っております。

本記事では、コロナ禍により営業手法が大きく変わった注文住宅をテーマに、年間棟数50棟以下の規模の小さな工務店のマーケティング戦略の考え方を解説していきます。

このような方におすすめの記事です

  • マーケティングの基本プロセスを知りたい
  • 自社の売上を上げるためのマーケティングを学習したい

小さな工務店こそマーケティングが必要な理由

そもそも「マーケティング」とは

マーケティングとは、一言で言うと「売れる仕組みの作り方」です。さまざまな概念がありますが、wikipediaでは下記のように書かれています。

❝マーケティングとは、企業などの組織が行うあらゆる活動のうち、「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその価値を効果的に得られるようにする」ための概念である。❞(wikipedia引用)

少人数で効率的な経営を行うために必要な考え方

マーケティングというと、大手ハウスメーカーなどの大企業のものと思われがちかもしれませんが、小さな工務店こそ効率的な経営をしていくために必要な考え方です。組織内で戦略の共通認識をとったり、なぜこのデザインやメッセージで集客施策を行うのか根拠をもってスピーディーに動くことが可能となります。

また、YouTube、InstagramなどのSNSやリスティング広告、SEOなど、建築業界のデジタルマーケティングの世界は、やるべきだと言われている広告施策は多く存在しています。どの施策も重要ですが、細かい施策の前に、マーケティングの土台となる戦略が重要です。次からマーケティング戦略の考え方について、順を追って解説していきます。

STP分析から戦略を整える全体図

競合との差別化ポイントを特定する「STP分析」

STP分析とは

マーケティング戦略を考えるフレームワークはたくさんありますが、最初にSTP分析を押さえましょう。STP分析とは、Segmentation(市場の細分化)、Targeting(標的セグメントを選ぶ)、Positioning(他社との違いを認識してもらう)の3つの英単語の頭文字をとって名付けられた分析方法です。自社のターゲットを定め、競合と比べた際の優位性や、違いを特定する「マーケティング戦略の土台」を作るためのフレームワークとして使われます。

STPの構成要素_小さな工務店こそ必要なマーケティング戦略の考え方~売れる仕組みの基本づくり~
STP分析の活用目的とメリット

STPをもとにマーケティング活動をすることで、自分たちの価値を届けるターゲットを定めることができ、競合他社との違いを特定することで、施策がブレなくなります。ポイントとして、自社目線ではなく、ユーザー(施主)目線で考えることが重要です。

STP分析の活用目的_小さな工務店こそ必要なマーケティング戦略の考え方~売れる仕組みの基本づくり~

次から具体的にフレームワークを活用した戦略の立て方をご紹介します。今回は比較的規模の小さな工務店の例とともに解説します。

セグメンテーション:市場を分ける

最初にセグメンテーション(市場をどのように分けるか)を考えます。基本的には、下記4つの要素で市場を区切ることが基本となります。

セグメンテーション例
人口動態特性年齢/性別、職業、収入、家族構成、最終学歴
地理的特性国、気候、文化/宗教、都道府県/市町村、人口密度
心理的特性興味関心、ライフスタイル、価値観、購買動機
行動特性利用経験/頻度、購入回数、利用チャネル
セグメンテーションのプロセス
  • 上記4つの要素のうち、どの要素で市場を分けるかを決める
  • マトリックス(4象限)で整理してみる
  • 4象限それぞれのターゲットイメージを書き出す

セグメンテーションは、誰をターゲットとするかを決めるための全体像が整理できている状態を目指しましょう。

例えば、注文住宅を提供する規模の小さな工務店のマーケティング戦略を考える際は、人口動態特性(収入)×地理的特性(商圏)×心理的特性(ライフスタイル)の条件から、顧客セグメントを考えていきます。

ターゲティング:重点顧客を決める

続いて、セグメンテーションで市場を分けた後に、どの顧客層を重点的にアプローチする顧客セグメントとするかを考えていきます。マーケティングでは、”捨てる顧客””嫌われる”顧客セグメントを決めることも重要です。全ての顧客を狙った商品では、誰にも必要とされないため、重点顧客セグメントを決め、捨てる顧客セグメントも決めることを忘れないようにしましょう。

この時に、ターゲットを何の基準に基づいて決めるのかを理解しておきましょう。魅力的な市場や重点ターゲットカテゴリーを見定めるために6Rという考え方があります。

ターゲティングのための6R
市場規模(Realistic Scale)市場規模は十分にあるか?
成長性(Rate of Growth)市場の成長性は高いか?
競合状況(Rival)競合関係はプラスに働くか?
優先順位(Rank)他のカテゴリーと比較し優先順位は高いか?
到達可能性(Reach)そのカテゴリーにサービス提供は可能か?
反応の測定可能性(Response)反応の効果測定は可能か?

6Rの項目をイメージしながら「本当にこの顧客セグメントがふさわしいのか?」をチェックするようにしましょう。市場規模、成長性などは、時間軸を決めておくことが重要です。一般的には、「3~5年後」の市場規模、成長性を考えると戦略は考えやすくなります。

マーケティングの世界では、顧客の具体像を表現した「ペルソナ作成」をするケースがあります。ペルソナを作成する場合は、前提としたセグメンテーション、ターゲティングの分析をしている必要があることを理解しておきましょう。大前提の優先的にアプローチする顧客セグメントを見誤ると、その後の商品設計や広告施策の全てが成果に結びつきにくくなります。経験や勘に頼らず、正しい分析プロセスを理解した上でターゲットを定めましょう。

例えば、注文住宅を提供する工務店のターゲティング例としては下記のようになります。

地元密着型工務店におけるターゲティング例
エリア本社から50キロ以内家族構成夫婦、子供(7歳、4歳)
職業夫:銀行員
妻:飲食店パート
検討価格3000万円〜3500万円
70万円〜80万円/坪
世帯年収1,000万円嗜好木造や建築素材、デザインへのこだわりが強い
チェックリスト
  • 市場規模(Realistic Scale):上記ターゲットにおける3年後に見込める棟数
  • 成長性(Rate of Growth):上記ターゲットにおける3年後の地域人口成長率
  • 競合状況(Rival):商圏内における競合工務店

参考ツール

上記の要素を考える上での参考ツールをご紹介します。地域に根付いたビジネス(ローカルビジネス)でターゲットを見定める上では、地域の人口動態を理解することが重要となります。

経済産業省が提供している分析ツール「地域経済分析システムRESAS」を活用して、地域経済の過去と未来を正しく把握することがお勧めです。人口動態の変化を3年~5年の時間軸で考え、今後アプローチするべきターゲットを明確にしていきましょう。

2030年九州の人口増減マップ(REASAS)
例)九州の人口増減マップ(2030年予測)

ポジショニング:自社の優位性を表現する

最後にポジショニングマップを作成します。ポジショニングマップは下記の要素を抑えたものを作成しましょう。

軸をチェックするポイント
  • 顧客の購買決定要因を記載できているか?
  • 競合との差別化が表現されているか?

競合をマッピングした上で、軸のそれぞれに、購買決定要因を設定し、競合企業と自社をマッピングします。「自社が顧客に選ばれる理由」を図解することで、デザインやメッセージがブレずに伝わりやすくなります。※事業や顧客セグメントが複数ある場合は、ポジショニングマップは複数作成

例えば、注文住宅を提供する工務店のポジショニングマップを考える際は、下記のような軸をとるイメージです。軸の項目は、「顧客が購買決定する上で重要視する項目」を洗い出していきましょう。

地方工務店におけるポジショニング例
工務店ポジショニングマップ_小さな工務店こそ必要なマーケティング戦略の考え方~売れる仕組みの基本づくり~

STP分析から戦略を可視化するワークシート

工務店向けマーケティング戦略シート

最後に、ご紹介してきた考え方を、1枚のシートに落とすイメージをお伝えします。STPを活用して戦略を考える時は、この3つを整理するようにしましょう。下記よりサンプルのワークシートをPDFでダウンロードいただけます。社内のワークショップなどで、戦略を整理するためにぜひご活用ください。

STP分析から戦略を整理するポイント
  • 誰に?
  • どのような価値を提供して?
  • どのような違いをもって選ばれるか?
工務店向けマーケティング戦略シート(ブランディングテクノロジー)

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