年間棟数35棟⇒50棟!受注率15%⇒24%!コロナ禍でも年間棟数142%増加できた工務店の戦略とは?
目次
今回紹介するのは、愛知県蒲郡市の「リキュー様」です。「リキュー様」ではこれまで、来場型の「家づくり勉強会」を開催し、集客を行っていました。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大により、従来の方法では集客が見込めない事態に。そこでオンライン施策にシフトすることで集客を維持。年間棟数35棟⇒50棟の15棟増を実現し、受注率も15%から24%に飛躍させました。ここでは、「リキュー様」のアドバイザーの原田裕史様と広報の原田健一様にお話を伺い、コロナ禍から現在に至るまでの施策について深堀りしました。
コロナ禍を乗り越え年間棟数は年間棟数35棟から50棟へ増加、受注率も15%から24%にアップした理由
コロナ禍で来場型イベントの集客が困難に
オンライン施策にシフトすることで集客回復を目指す
以前の集客は、来場型の「家づくり勉強会」がメインでした。しかし、コロナ禍により勉強会が開催できない状況が続き、開催できたとしてもこれまでのように多くのお客様に来場してもらうのが難しくなりました。そうした中、オンラインセミナーを開催したり、見学会を増やしたりとさまざまな施策を打ち出しましたが、「手探り状態」だったのが事実です。実際、2021年度の集客数は3割ほど減りました。
コロナ禍での厳しい集客状況を打破するため、広報の観点からは「集客を増やす」こと、営業の観点からは「歩留まりを上げる」ことに注力。オンラインセミナーをはじめ、予約制にして「密を避けられる」完成見学会やモデルハウス見学などを強化する決意をしました。
また、従来の集客施策では集客数増加は難しいと判断し、集客施策をオフラインからオンラインに徐々にシフトすることに。ブランディングテクノロジーさんと出会ったのは、まさに集客施策を変更しようと思っていたときでしたね。
ブランディングテクノロジーさんには、集客施策の中でもっとも重要なハブとなるホームページリニューアルを依頼しました。また、ランディングページを、無料相談会用、モデルハウス見学会用、完成見学会用、勉強会用にそれぞれ制作をお願いしました。
ホームページリニューアル後、年間棟数は15件増を実現
確実なブランディングで「リキューで家を建てたい」お客様からの受注が増加
ブランディングテクノロジーさんに当社のホームページをリニューアルしてもらってから、2021年7月期に35棟だった年間棟数が、2023年7月期には50棟まで右肩上がりで成長し、受注率も大きく向上しました。集客数自体は2021年7月期から2023年3月期までで230件から202件に減少しましたが、受注率は15%から24%へ飛躍的に向上しています。 この背景として考えられるのは、お客様層の変化です。コロナ禍に入るまでは、「とりあえず勉強会に足を運んだ」という方が多い印象でした。ですが、ホームページをリニューアルしてからは「ブランディングされたお客様」、つまり「リキューで家を建てたい」と考えている方が来場されるようになった印象です。
蒲郡の商圏エリアでシェア10%を実現した理由
ホームページへの動線を作り計画的な集客を実現
商圏エリアでブランディングが成功した理由には、「認知度を上げるための施策」が挙げられます。
具体的には、まず発信したいコーポレートメッセージを固めて、そのコーポレートメッセージを次のような方法で発信しました。
- 野立て看板(デジタルサイネージ)
- 紙媒体(新聞、雑誌など)
- ポータルサイト
- LINE
SNSの投稿には統一性を持たせて、投稿にもコーポレートメッセージを入れるようにした結果認知度が高まり、ホームページへの流入が増えました。
また、ホームページのリニューアルでは、高級感のある雰囲気を出すことも重視しました。リニューアル前のホームページでは、「家づくりにコストをかけたくない」という方も集客対象となっておりましたが、このような方の場合はローコスト推しのホームページを見るのが一般的です。
そのため、当社のホームページからは離脱する傾向にありましたが、リニューアル後は、「家づくりに予算をかけたい」と考えている方の集客を実現しています。特に、リニューアル後のホームページでは、リキューの強みである「建築家と建てる家づくり」というコンセプトをより理解しやすくなりました。
「コストをかけつつも、デザイン・性能ともに優れた家を建てられる」というブランディングに成功したのは、このようにホームページに流入するまでの動線をしっかり作った結果だと考えています。
成長の理由は原価管理の徹底
コロナ禍に加え、ウッドショックや物価の高騰、円安で棟数が伸び悩んでいる会社も少なくありません。当社もまた、価格面で大きなダメージを受けているのは事実です。しかし、マネージャークラス研修で「原価管理を随時見直す」ことを徹底し、販売価格の利益の差を最小限に抑えることを実現しました。また原価管理をしっかり行うことで単価管理にも成功しました。これも、逆境の中でも当社が成長できている理由だと思います。
クリック率やコンバージョン率を計測し広告施策をデジタルシフト
集客効率アップ、集客単価70%にカットに成功
広告施策のデジタルシフトを実現できたことも、毎月の集客数が安定している要因です。以前はチラシだけでも反響がありましたが、コロナ禍以降、それだけでは集客が取れない事態に陥っていました。
一方、SNSやリスティング広告なら反響が一目で分かるので、クリック率やコンバージョン率、集客単価などを計測してチラシとの費用対効果を比較し、徐々にデジタルシフトを行いました。現在では、デジタル広告全体の予算の割合が、2021年7月期に50%だったものが、翌2022年7月期には70%、2023年7月期90%まで上がっています。
広告施策をデジタルに変えることで、集客効率を上げることに成功。さらに、単価10万円を越えることも多かった集客単価を、現在では3万円台に抑えられています。
ブランディングテクノロジーの制作で納得できるデザインを実現
強固な運用とスピーディーな対応に満足
ブランディングテクノロジーさんにデザインを提案していただいた際、少々チープな印象を受け、率直に伝えたことがありました。すると、こちらの意図を丁寧に汲み取ってくださり、私のこだわりを反映した高級感のあるデザインを提案していただきました。今ではそのデザインが非常に気に入っています。
ホームページをリニューアルする前は、別の会社にホームページの運用を任せていたのですが、レスポンスが遅くストレスを感じていました。ブランディングテクノロジーさんにお願いするようになってからは、運用体制がしっかりしており、スピーディーに対応してくださっているので助かっています。
目標は年間60棟の受注、断熱リフォームも
新しいモデルハウスでさらなる集客を目指す
今後は、受注ベースで年間棟数60棟、完工42棟、売上13億7,000万円を目指したいです。また、断熱リフォームを推進し、年間3棟のリフォームも実現したいと思います。2024年5月には、新たな商圏である「安城市」にモデルハウスをオープンする予定なので、今後はそこを集客装置として稼働できるようにしていきたいですね。
コロナ禍でも年間棟数142%増できた成功ポイント
コロナ禍以降、顧客動向の変化に合わせ集客施策を実施
注文住宅・リフォーム業界では、業績が伸び悩んでいる会社も少なくありません。そんな中、「リキュー様」の年間棟数は、2021年7月期に35棟だったものが、2023年7月期には50棟に増加。受注率も15%から24%と飛躍的に向上しています。その背景には、コロナ禍以降顕著だった、「顧客動向の変化」に合わせた集客施策を実施したことが挙げられるでしょう。
ここでは、成長のカギともなった「コロナ禍以降における顧客動向の変化」について解説します。
コロナ禍以降の顧客動向の変化とは?
新型コロナウイルス感染症の拡大は、それまで当たり前だった「人の流れ」を変えました。これまで工務店が積極的に開催してきたモデルハウスやイベントへ「とりあえず」「気軽に」来場する人が激減したのです。
一方で、インターネット経由で情報を集めて業者選定を済ませてから、実際に「性能」や「担当者」を確認するために来場する方が増えました。そのため、テレビや新聞、ラジオ、雑誌、ラジオといった、企業がお金をかけて広告を掲載するペイドメディアよりも、Web上でファンを増やすための、オウンドメディアの強化が重要となったのです。
※オウンドメディアとは、ホームページなどの企業や個人が自主運営するメディアのこと。
「リキュー様」の取り組み
ホームページのリニューアルを実施
顧客動向が変化する中、「リキュー様」ではホームページのリニューアルを実施。お客様に「じっくりコンテンツを回遊していただく」ことを目標に、どんな家づくりをしているのか、どんな会社なのかを魅力的に発信する仕掛けをホームページに施しました。
具体的にホームページを制作するにあたって注力した点は下記です。
- TOPの導線を「特徴」⇒「施工事例・お客様の声」⇒「モデルハウス・ショールーム」⇒「会社概要」の順序で紹介し、見込み顧客が知りたいコンテンツの順番に並べた
- 家づくりの特徴を「【デザイン】アトリエ建築家とつくる家づくり」「【性能】高気密・高断熱・耐震性にこだわった家」「【コスト】コストパフォーマンスの高い家」という3ページに分けて、コンテンツの充実化を図ると同時に、知りたい情報へアクセスしやすい導線を構築した
- 施工事例を物件ごとにページを分けて作成。その施工事例ページ内では「施工写真」「担当した建築家の紹介」「外観・内観など箇所ごとの施工写真へコメント」など内容を充実させた
これにより、家づくりを検討している人は「どんなデザイン・性能の家を建てているのか」「どんな会社でどんな担当者がいるのか」といった情報をホームページから取得できます。ブランディングテクノロジーではこうした情報に焦点を当て、魅力的に伝わるようコンテンツ制作を行いました。
紙広告の割合を減らし、デジタル広告の割合を増やす
「リキュー様」では、チラシをはじめ紙媒体広告の反響が落ちてきたことに課題を感じていました。そこで、今後デジタル広告が主流になることを見越して、毎月効果測定を行いながら徐々にデジタル広告の割合を増やすことに。
その結果、デジタル広告が占める割合は2021年7月期に50%だったものが、2023年7月期には90%まで上がり、特にInstagram広告に多くの予算を割いています。また、10万円を超えることが多かった集客単価も、現在では3万円台に抑えられる月もあり、高い費用対効果を実現しました。
開催するイベントの内容を変更
「リキュー様」ではコロナ禍前も各種イベントを開催しており、「集合型の家づくり勉強会」がメインとなっていました。しかし、感染が拡大する中集合型イベントでの集客は難しい状況に。また、勉強会で発信している情報はホームページやSNSで得られるものも多く、家づくり勉強会の価値自体が下がっているという課題もありました。
こうした中、「リキュー様」では家づくり勉強会の開催頻度を減らし、感染リスクが少ない予約制の完成見学会、無料相談会、モデルハウス見学、オンラインセミナーの開催にシフト。これにより、イベント集客数を回復できました。
まとめ
コロナ禍だけでなく、ウッドショック、円安ショック、少子高齢化、インフレなどにより、住宅業界全体は厳しい状態に陥っています。しかし、世の中の変化を捉え、新たな戦略にシフトして成果を上げている会社があるのも事実です。「リキュー様」は、そんな会社のひとつと言えるでしょう。
「リキュー様」の成功要因には、現状に満足せず、新たな情報を積極的に取り入れ、それを実行に移せていることが挙げられます。今後もブランディングテクノロジーは、ノウハウ提供を継続的に行い、さらなる成長に貢献できるようサポートいたします。
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Y.SEIYA
事業推進室 Webブランディングプロデューサー
2014年新卒入社。営業所を立ち上げ4名体制まで拡大。800社以上の中小企業のWebブランディングに従事。現在は手掛けた実績を活かし、全国の中小・地方企業様のさらなる事業成長へ向け活動中。
Twitter:https://twitter.com/seiya19911225
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tel:03-5457-1311
お客様情報
会社名 | 株式会社 リキュー |
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所在地 | 愛知県蒲郡市・西尾市 |
制作サイト | hhttps://rikyu-home.com/ |