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中小企業のリブランディング成功ポイント~当社事例をもとにした社名変更と企業ブランド再構築の進め方~

中小企業のリブランディング成功ポイント~当社事例をもとにした社名変更と企業ブランド再構築の進め方~

当社ブランディングテクノロジーは、自社のリブランディングの一環として2018年に社名変更やロゴマークなど、あらゆるコミュニケーション、メッセージの変更を行いました。その経験を活かし、本記事では中小企業がリブランディングを成功させるために押さえておくべきポイントを解説していきます。
※本記事では商品・サービスのリブランディングではなく、「企業」に絞った記事となっております

このような方におすすめの記事です

  • 企業ブランドの再構築を考えている
  • リブランディング実施判断のためのポイントを知りたい
  • ブランディングプロジェクトの進め方を知りたい
  • 中小企業向けのリブランディング事例が知りたい
  • リブランディングにより計測すべき指標を知りたい

リブランディング実施検討のための基本情報

「リブランディング」とは

リブランディングとは、既存のブランド資産を時代に合わせて再構築することを指します。企業における具体的なリブランディング概念としては、自社の置かれているポジションを再確認をしたうえで狙うべきポジションを再定義したり、自社が存在する理由や社会に提供できる価値を見つめ直し、改めて社内外に発信・浸透させることを意味します。

前提として「社名変更=リブランディング」ではない

当社の場合は社名から見直す必要があると判断しましたが、それがイコール「リブランディング」という訳ではありません。ブランドコミュニケーションやメッセージ、社名やロゴマークなどを単に変えても、本質である企業課題を解決できなければ意味がないからです。
あくまでも企業ポジションの再定義を行った結果、社名変更が必要になる場合もある(≒リブランディング)ということと、社内外に発信・浸透させる活動までがリブランディングプロジェクトであるという前提をお伝えいたします。

中小企業がリブランディングを実施すべきタイミング

中小企業ならではの検討きっかけ

中小企業がリブランディングを行うタイミングとして、下記の4つに分類されることが多いです。

事業フェーズの変化 当社のリブランディング実施の背景は、この事業フェーズの変化が大きな要因にあたります。ビジネスや組織が成長するにつれ、メッセージやミッションが変わっていき、クリエイティブにズレが生じることで、自社のブランドを再構築する必要がでてきます。
ビジネスモデルの変化 内部的要因もしくは外部的要因で変化し、今までのやり方では通用しない、ビジネスモデルを大きくチェンジしたい、など、市場変化に影響した理由でリブランディングを検討される場合があります。
事業承継・世代交代 経営者が変わるタイミングで2代目社長が先代から引き継いだ企業ブランドを新しい代表の元で企業を変化させることができるので、事業承継もリブランディングに適したタイミングです。
周年イベント 企業のイメージ刷新のために、会社の創立イベントなどのタイミングを機に、リブランディングを実施する場合もあります。次のステージへ飛躍するために会社のブランドを再構築することで、会社の一体感を創出するきっかけにもなります。

リブランディングのメリット・デメリット

リブランディングには当然メリットとデメリットがあります。リブランディングを検討するための参考として、よくある例をご紹介します。

リブランディングにより期待できるメリット
企業イメージの一刷 事業成長や企業ポジションの再定義のためのイメージ一刷など、目的に合わせて企業メッセージを再発信することができます。相乗効果として、今まで出会わなかったチャンスが生まれることで、営業活動がプラスに転じ、売上向上のきっかけになることもあります。
社内スタッフの意識変化 新たなブランドに生まれ変わることで、企業としてより高みへの成長を促すこともでき、次のステージへ向かうアクセルの役割も果たしてくれます。ただし、後述のデメリットになり得る点でもあるため、ブランド刷新の際は継続した丁寧な浸透施策を心がけましょう。
新卒・中途採用力の強化 既存スタッフの意識変化への期待に加え、新たな人材を獲得するためにもリブランディングは有効です。新たなブランドを発信することで、新たな共感が増え、新たな人材を獲得するチャンスにも繋がります。
リブランディングにより考えられるデメリット
積み重ねてきた認知の
一部を失う
社名を変えたりブランドを変えることは、それまで積み重ねてきた認知の一部を失うことを意味します。反面、今まで出会えなかった層にもアプローチできるチャンスでもありますが、一定期間は認知形成の時間がかかることは覚悟しましょう。
変更に伴う作業や
コストが発生する
リブランディングの影響範囲は多岐に渡るため、事前に変更すべき範囲を書き出し、変更に伴う作業量やコストなどを見積もっておくといいでしょう。社内スタッフだけでプロジェクトを推進する場合、通常業務に加えた稼働を行うことになるため、キックオフのタイミングは見定めましょう。
変更前を支持する層が
一定層発生する
これは特にインナーブランディング(対社内)で想定されることですが、新しいブランドに拒否反応を示す層が一定数発生します。リブランディングの経緯や目的、スタッフにとってどんなメリットがあるのかを丁寧に説明することで、不安はある程度払拭することができます。

リブランディングを実施すべきか決断する方法

リブランディングによるメリットとデメリット精査し、メリットが大きいと判断したら、リブランディングに踏み切っていいといえるでしょう。もし判断に迷う部分があれば、分析調査を重ねることで、リブランディングに踏み切るかの経営判断はよりスムーズになります。また、プロジェクトを進めることは相当な体力と時間を要するため、調査の結果、今リブランディングを行うべきではないという経営判断も当然妥当です。メリットばかりに注目せずに、自社が置かれている状況を時間をかけて整理しましょう。

まとめ
  • 社名変更=リブランディングではない
  • どんな中小企業にもリブランディングを実施すべきタイミングがある
  • 決断に迷う場合、時間をかけて分析調査を繰り返し検証する

中小企業がリブランディングを成功させるための4つのポイント

中小企業がやりがちな失敗例から学ぶ成功パターン

インターネット検索で出てくるリブランディングの事例や情報は、大企業の事例や商品リブランディングの事例が大半です。ただし、「リブランディング」は大手企業だけが実施するものではありません。次からは、中小企業がリブランディングを成功させるために押さえるべきポイントを、中小企業である当社が中小企業目線で解説します。

【計画】ブランディングを曖昧なまま進めない

本当に自社にリブランディングが必要だと判断したら、いつまでにどのようになっていたら成功と言えるのか、理想の状態や目標を定義します。定性面定量面どちらも調査し、プロジェクトの軸を定めることで、必要なタスクが見れてくるでしょう。この目標と計画がないと、やみくもなプロジェクトに社内リソースをさいてしまい、成功までの道のりは遠ざかってしまいます。

【計画】ブランディングを曖昧なまま進めない
【分析】“変えること”と“変えないこと”のバランスを見誤らない

「ブランディング」と「リブランディング」の違いは、単純に継承するものがあるか否かになります。新たにブランドを発足する場合はゼロイチの作業になりますが、リブランディングの場合は今までの資産を残しつつ、新たに創出するものとのバランスが重要になります。この調整を間違えてしまうと、つじつまがあわず伝えたいメッセージがぶれてしまうため、既存のブランド資産をどこまで活用するか十分な分析のもと整理していきましょう。

【分析】“変えること”と“変えないこと”のバランスを見誤らない
【選定】感覚やコストだけで外部パートナーを選ばない

中小企業が社内リソースだけでブランディングを推進することは非常に難度が高く、多くの場合は外部のパートナー企業を選定し共同で進めていく必要があります。その際のよくある失敗ケースとして、デザイン実績が「綺麗」や「かっこいい」など感覚的にパートナーを選定してしまう、自社がやるべき内容や相場感が分からないため価格で決めてしまうなどの例があります。

ブランディングプロジェクトの流れ

また、リブランディングプロジェクトの大まかなフェーズとして、分析・計画、ブランド再構築、浸透施策の3ステップがありますが、ロゴやコピーを作って終わりになってしまい、浸透フェーズは別パートナーを探さなければいけなくなることがあります。これにより進行管理が煩雑になり、コミュニケーションコストがあがる場合もありますので、ブランディング支援の特徴が違う企業の話をいくつか聞き、自社に合ったパートナーを選定しましょう。

企業ブランディング会社の特徴
【浸透】短期的な成果だけを見てブランドメッセージを変えない

ブランドの再構築を行いリリースして終了ではありません。ブランドの浸透のためには、継続した社内への浸透活動(インナーブランディング)と社外へのプロモーション(アウターブランディング)が必要です。大手企業のようにテレビCMを行い一気に認知を高めることもできますが、潤沢なプロモーション予算を組める中小企業は多くないため、限られた予算内でプロモーションを行う必要があります。そのため、ユーザー接点(タッチポイント)を精査し、一貫したメッセージをクリエイティブ品質を保ちながら伝え続ける必要があります。

まとめ
  • 中小企業ならではの失敗例を学習しておく
  • 「計画」「分析」「選定」「浸透」を段階を踏んで実行する

リブランディングプロジェクトの進め方

プロジェクトの流れ

ここから、一般的なプロジェクトの流れをご紹介します。大きく3STEP構成で進めていきます。

STEP1-分析・計画
プロジェクト始動

リブランディングを推進するプロジェクトメンバーを決定し、目的、 期間、対応範囲、役割、意思決定、会議体などを明確にした上でプロジェクトを進めて行きます。当社プロジェクトの場合、主に下記の役割を担うメンバーを選定しました。当社のように社内にデザイナーやコピーライターがいない場合は、リブランディングプロジェクトを理解しているパートナー企業に依頼しましょう。その際、ただ制作物を制作する会社に依頼するのではなく、自社のリブランディングプロジェクトの本質を理解した会社を選定するようにしましょう。

ポジション        …役割
経営者          …意思決定
プロジェクトマネージャー …経営戦略
リサーチャー       …社内外調査

ディレクター       …メディア設計
アートディレクター    …デザイン
コピーライター      …言語開発
人事/広報/総務     …社内接続

調査・分析

自社のキーパーソンにインタビューを実施し、自社の強み・弱み、抱えている課題、目指すべきビジョンなどを洗い出します。当社の場合、キーパーソン以外にも社内全体を巻き込む意味で、スタッフへのアンケートを実施しました。また、お客様やお取引先など外部からの客観的な意見もインタビューやアンケートなどで拾っていくと、自社にとって重要だと思われるキーワードが出てきます。そのキーワードがブランドの構築のヒントになります。

STEP2-ブランド構築
レポーティング・ディスカッション

分析・調査で抽出したキーワードから、ワークショップでディスカッションを重ね、自社のブランドや「らしさ」を整理していきます。また、このディスカッションによりリブランディングプロジェクトメンバーのブランド知識の向上や、当事者意識の醸成なども目的としています。

言語化・デザイン開発

ディスカッションにより抽出した要素をもとに、言語開発・デザイン開発を進めていきます。言語化する例として、ミッション、ビジョン、バリュー、ブランドプロミス、ストラテジー、ブランドメッセージ、ブランドストーリー、タグラインなどを策定していきます。また、ブランド開発の例として、ロゴの開発を軸に、展開するツールの作成をしていきます。名刺、パンフレット、公式メディア、ブランドページ、ブランドムービーなどのタッチポイントを事前に洗い出し、訴求メッセージを都度調整していきます。

ブランド構築時の言語化・デザイン開発
STEP3-浸透施策

リブランディングをリリースした後は、新しいブランドを浸透させるための施策を社内外向けに行っていきます。新しくなったブランドと背景を理解してもらい、ファンになってもらうには継続した発信が必要です。タッチポイントを洗い出し、打つべき施策の優先順位をつけて実行していきます。

ステークホルダーごとのタッチポイントを洗い出す
アウター(社外)ブランディングの浸透策

言語化・デザイン開発で構築した新しいブランドを、あらゆるタッチポイントに反映させます。プレスリリースやネット広告などによる発信から自社メディアへ誘導し、リブランディングの経緯や目的などの背景を公式サイトなどで詳細に伝えることで、より深く正しく理解してもらいます。

インナー(社内)ブランディングの浸透策

リブランディングの経緯や想いなどを丁寧に説明し、新しいブランドへの不安や不満を抱かないように、不安材料はしっかりと払拭してあげましょう。全員が納得するのは難しくても、一定の理解者がいることでリブランディング後の浸透がスムーズになりやすくなります。また、プロジェクトメンバー内だけの独断で進めるのではなく、社内スタッフを巻き込む設計を行い、一人ひとりに新しいブランドを体現してもらうことで浸透速度が加速します。

社名変更前の事前準備チェックシート

リブランディングに伴い社名変更をする場合、いくつもの準備や届け出が必要です。以下は当社が社名変更をした際に使用した、事前準備リストの一部です。テキストコピーも可能ですので、ぜひご活用ください。

スプレッドシートはこちら

社名変更まで至った当社リブランディング事例

企業ブランド再構築の必要性と背景

当社がリブランディングを検討し始めたタイミング

2001年にベンチャー企業「株式会社フリーセル」として創業した当社ブランディングテクノロジーが、リブランディングを行った2018年は、創業から18期目を迎えたタイミングでした。当社は2019年に東証マザーズに上場しますが、上場企業にふさわしい企業ブランドとは何か、さらに成長するにはどんなブランドであるべきか、一緒に働くスタッフが成長を楽しんでくれるブランドとはどうあるべきかなど、次のステージに移行するのに相応しいブランド像を再構築する必要があると判断しました。

社名の見直しから始まった
リブランディングの目的

当社がリブランディングを行った時期は市場でこそデジタル化がさけばれていたものの、中小・地方企業様ではまだまだデジタル化が根付いていないのが実状でした。そこで、当社が提供できる価値(ブランド×テクノロジー)を社名に含めることで、「ブランドを軸に中小・地方企業様のデジタルシフトを担う」というミッションをメッセージとして伝えることにしました。当社が大切にしているブランドや価値観を社名から想起してもらうためです。

検討の結果社名変更へ
当社実施内容をまとめたドキュメント公開

ここで、当社のリブランディング背景を簡単にご紹介します。前述のタイミングがあったことと、メリットが大きかったことからリブランディングを決断しました。プロジェクトの詳細は下記のドキュメントにてまとめていますので、ご興味ある方はダウンロードをお試しください。

『ブランディング実践ガイド』これからブランディングを実践する人のためのガイドブック

ダウンロードはこちら

リブランディング後に計測すべき成果指標

ブランディングの成果を定量的に抽出することは容易ではありません。複合的な要因から成り立つため、一概に成功した、失敗したと言える事例は少ないでしょう。とはいえ、実施するからには何かしらの変化を観察すべきです。次から、リブランディング後に計測すべき指標の例をご紹介します。

アウター(社外)成果計測例

社外向けの観察ポイントとして、ブランドスコア調査や自社名でのネット検索数、自社メディアからの問い合わせ数の推移などを測定しましょう。当社の場合、リブランディング前は月数件しかなかった新規の問い合わせ数が、今や月数百件まで増えています。これは集客のための自社マーケティング力強化を行った結果でもありますが、企業ミッションが明確になったことでメッセージが伝わりやすくなったことも起因していると考えられます。

インナー(社外)成果計測例

社内向けの観察ポイントとして、社内アンケートでエンゲージメントの調査や採用指標の変化などを測定しましょう。当社の場合、定量的に可視化することで浸透具合を測定し、アンケートの項目例として「自社のミッション・ビジョンへの共感度」のような項目の数値変化を観測した結果、指数を伸ばすことに成功しています。

中小企業様向け総合ブランディングサービスのご紹介

最後までお読みいただきありがとうございます。当社自身のリブランディング経験を活かし、中小企業様のリブランディングを支援しています。

「自社でリブランディングを検討しているが、何から手を付けていいか分からない」
「自社の力だけでプロジェクトを進めるのが難しい」
「ブランド構築後の支援もしてほしい」

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