不動産業向けホームページ制作の教科書|反響UPを生む10の必須機能

インターネットが普及した現代、不動産業界においてもホームページは単なる「あれば良い」ツールから、お客様との重要な接点となる必須の営業ツールへと進化しています。ブランディングテクノロジー株式会社がお届けするこのガイドでは、中小規模の不動産会社様が本当に成果を上げるためのホームページ制作の要点を、豊富な実績と最新のデジタルマーケティング知見から徹底解説します。
この記事でわかること
- 不動産会社のホームページで達成すべき3つの成果目標と優先順位
- 問い合わせ・来店予約を増やすために必要な10の必須機能
- 費用対効果の高いホームページを作るための要件定義と制作会社選定のポイント
こんな人におすすめの記事内容です
- 初めてホームページを作る、または既存サイトをリニューアルしたい不動産会社様
- ホームページからの集客効果を高めたい不動産業のマーケティング担当者
- WEB集客の重要性は理解しているが、何から始めれば良いか悩んでいる経営者様
目次
不動産業界でホームページが果たす役割

スマートフォンの普及により、お客様の物件探しの行動は大きく変化しました。2024年RSC「不動産情報サイト利用者意識アンケート」によれば、現在の購入・賃貸希望者の約85~87%がインターネットで物件情報を収集しており、この割合は年々増加しています。
特に重要なのは、大手ポータルサイトだけでなく「直接、不動産会社のホームページにアクセスする」流れが強まっていることです。なぜなら、お客様は単に物件を探すだけでなく、「その会社が信頼できるか」「自分のニーズを理解してくれるか」を判断する材料を求めているからです。
私たちブランディングテクノロジーが不動産業界で700件以上のウェブ戦略をサポートしてきた経験では、ホームページが果たす役割は主に以下の3つに集約されます:
- 情報発信プラットフォーム:
物件情報を中心に、会社の強み・特色を伝える - 信頼構築ツール:
会社の実績や担当者の人柄を示し、安心感を提供する - 営業窓口:
問い合わせ・来店予約などの具体的なアクションを促す
特に地域密着型の不動産会社様にとっては、大手にはない「地域情報の発信力」や「きめ細かなサービス」をアピールできるホームページは、差別化の重要な武器となります。
不動産サイトで実現したい3大成果
多くの不動産会社様がホームページに期待する成果は様々ですが、優先すべき目標を明確にしなければ、「何でもできるけれど何も成果が出ない」サイトになってしまいます。当社の経験から、特に重視すべき3つの成果目標を解説します。
① 反響獲得(問い合わせ・来店予約)
最も直接的な成果指標は「お問い合わせ数」と「来店予約数」です。株式会社iimon(イイモン)の不動産DX調査によれば、ポータルサイトでも反響率0.5~1%、自社サイトで1~3%を超えれば優秀とされています。
成功のポイントは、「お客様が求める情報にすぐアクセスできること」と「問い合わせのハードルを下げること」です。具体的には:
- 物件検索から問い合わせまでのクリック数を3回以内に抑える
- 複数の問い合わせ方法(電話・メール・LINE・予約フォームなど)を用意する
- スマホでの操作性を最優先に設計する(いえらぶクラウドの2024年4月アクセスログによれば、現在、不動産サイト訪問の約7~8割はスマホから)
② 物件掲載効率の最適化
多くの不動産会社様が抱える悩みの一つが「物件情報更新の手間」です。ポータルサイトと自社サイトの両方を更新する二重作業が発生し、結果的に自社サイトの更新が滞りがちになります。
リアルタイムに更新される物件情報は、お客様の信頼を勝ち取る重要な要素。レインズ(REINS)やポータルサイトと連携したシステムを導入することで、運用負担を軽減しながら常に最新情報を提供できます。
③ ブランド信頼度向上
物件という高額商材を扱う不動産業では、「この会社に任せても大丈夫」という安心感の提供が極めて重要です。特に、初めて取引する会社に対して、お客様は慎重になるもの。
ホームページを通じて以下の情報を効果的に発信することで、信頼構築のハードルを下げることができます:
- 具体的な取引実績や顧客の声
- スタッフの人柄が伝わるプロフィール
- 会社の歴史や地域との関わり
- 専門知識を示すコンテンツ(不動産コラム、よくある質問など)
ブランド信頼度の向上は、問い合わせ率アップと成約率アップの両方に貢献する重要な要素です。
成果を生む必須機能10選
不動産会社のホームページで真に成果を上げるために欠かせない機能を、優先度順に解説します。全てを一度に実装する必要はありませんが、目的達成のために特に重要な機能から優先的に検討しましょう。
1. 高度な物件検索システム
お客様が求める物件にスムーズにたどり着けることは、不動産サイトの基本中の基本。検索のしやすさが直接、サイト滞在時間と問い合わせ率に影響します。
必要な検索機能
- エリア・駅からの検索
- 価格帯・間取り・広さなどの条件検索
- 複数条件の組み合わせ検索 – スマホ対応の操作性 – 検索結果の並べ替え機能
2. レインズ・ポータルサイト連携
物件情報を手動で二重入力する作業は、多くの不動産会社様にとって大きな負担です。レインズやポータルサイトとデータ連携することで、情報の一元管理が可能になります。
連携のメリット
- 物件情報更新の工数削減
- 常に最新情報の提供が可能
- 入力ミスの防止
- スタッフの業務効率向上
3. 360°VR内覧・高品質画像表示
RSC 2024調査によると、「オンライン内見を使ってみたい」と回答した賃貸希望者が38%(前年比+5pt)と増加傾向にあります。360°パノラマビューやVR内覧機能は、特に遠方のお客様や多忙なお客様にとって大きな価値となります。
実装ポイント
- スマホでも快適に閲覧できる軽量設計
- 各部屋の特徴がわかる適切なアングル
- 昼と夜の光の入り方の違いを示す複数時間帯の撮影
- 周辺環境も含めた総合的な景観の提供
4. エリア・学区情報の充実
物件そのものだけでなく、周辺環境や生活利便性はお客様の重要な判断材料です。特に子育て世帯にとって学区情報は物件選びの決め手となることも少なくありません。
提供すべき情報
- 学区情報(小中学校の学区境界、学校の特色)
- 周辺施設(スーパー、病院、公園など)
- 交通アクセス(最寄り駅からの所要時間、バス路線)
- 地域の特色や暮らしやすさ
5. スマホファースト設計
不動産サイト訪問者の約70%がスマートフォンからアクセスする現状では、PCサイトの縮小版ではなく、スマホでの使いやすさを最優先に設計することが不可欠です。
ポイント
- タップしやすいボタンサイズ(最低44×44ピクセル)
- スクロールで完結する情報設計
- 画面サイズに応じた最適化(レスポンシブデザイン)
- 読み込み速度の最適化
6. コンテンツ管理システム(CMS)
物件情報だけでなく、ブログやお知らせなども社内で手軽に更新できるCMSの導入は、サイトを「生きた営業ツール」として活用するために欠かせません。
CMSに求められる機能
- 直感的な操作性
- 物件情報とブログ等の一元管理
- 画像のアップロード・加工機能
- スマホからも更新可能
7. SEO対策の基本機能
いくら優れたサイトでも、お客様の目に触れなければ意味がありません。検索エンジンで上位表示されるための基本的なSEO対策機能は必須です。
最低限必要なSEO機能
- メタタグ(タイトル・ディスクリプション)の設定
- 構造化データ(Schema.org)対応
- サイトマップの自動生成
- 適切な見出し(h1~h6)構造
- モバイルフレンドリー対応
- コアウェブバイタル対策
8. 自動メール配信・フォロー機能
問い合わせいただいたお客様へのレスポンスの速さは、成約率に直結します。各種営業調査では、最初の返信が早いほど成約確率が高まることが示されています。
必要な機能
- 問い合わせ受付の自動返信メール
- 担当者への通知機能
- フォローメールの自動配信
- 対応状況の管理機能
9. 顧客管理システム(CRM)連携
問い合わせ情報を顧客管理システムと連携させることで、お客様一人ひとりの状況や嗜好に合わせたきめ細かい対応が可能になります。
メリット
- 問い合わせ情報の自動取り込み
- 顧客対応履歴の一元管理
- 適切なタイミングでのフォロー
- マーケティング施策の効果測定
10. セキュリティ対策
個人情報を扱う不動産サイトでは、セキュリティ対策は信頼獲得の基本条件です。常時SSL(HTTPS)化は今や必須と言えます。
実装すべき対策
- 常時SSL(HTTPS)化
- プライバシーポリシーの明示
- 情報セキュリティ方針の公開
- 定期的なセキュリティアップデート
- スパム対策(reCAPTCHAなど)
制作前に整理すべき要件定義ステップ

成功するホームページ制作のカギは、着手前の綿密な準備にあります。以下の4ステップで要件を整理することで、無駄なコストを抑えつつ、確実に成果を上げるサイトを構築できます。
ステップ1:ターゲット設定
「誰に何を伝えるか」を明確にすることから始めましょう。
検討ポイント
- 主要ターゲット層(年齢、家族構成、収入層など)
- ターゲットの物件探しの優先条件 – 競合他社との差別化ポイント
- 自社の強み・特色
例えば、「子育て世帯向け戸建て専門」と「投資用ワンルームマンション専門」では、サイトデザインもコンテンツも大きく異なるはずです。ターゲットを絞り込むほど、反響率は高まる傾向にあります。
ステップ2:KPI設計
「何をもって成功とするか」の指標を設定します。
主なKPI例
- 月間問い合わせ数
- 問い合わせ率(訪問者数に対する割合)
- 来店予約数
- 物件閲覧数
- 滞在時間
- 離脱率
これらの指標に対して、具体的な数値目標を設定することで、サイト公開後の改善活動の指針となります。
ステップ3:コンテンツ設計
ターゲットとKPIを踏まえて、必要なコンテンツを洗い出します。
主なコンテンツ要素
- 物件情報(物件タイプ別の構成、必要な検索条件)
- 会社情報(沿革、スタッフ紹介、アクセス)
- 実績紹介(取引事例、お客様の声)
- 専門知識コンテンツ(不動産コラム、Q&A、用語集)
- 地域情報(学区、生活利便施設、地域の魅力)
コンテンツの質と量が、SEO評価と信頼性向上の両面で重要です。特に「専門知識を示すコンテンツ」は、Googleの評価基準である「E-E-A-T」(経験・専門性・権威性・信頼性)を高める効果があります。
ステップ4:運用体制の検討
制作後の運用方法と担当者も事前に決めておきましょう。
検討事項
- 更新頻度と担当者
- 問い合わせ対応のフロー
- 効果測定とPDCAの回し方
- 外部委託する範囲と内製化する範囲
「作って終わり」ではなく、継続的に改善していく前提で運用体制を整えることが、長期的な成果につながります。
費用と期間の目安
不動産業向けホームページの制作費用は、機能や規模によって大きく異なります。ここでは一般的な相場観をご紹介します。
初期制作費用の目安
タイプ |
価格帯 |
特徴 |
---|---|---|
テンプレート型 |
30~100万円 |
既存のテンプレートをベースに制作。コストパフォーマンスに優れるが、デザインの自由度は低め |
オーダーメイド型(中規模) |
100~300万円 |
要件に合わせたデザイン・機能を実装。一般的な不動産会社に適したバランス |
フルスクラッチ型(大規模) |
300~1,000万円 |
完全オリジナル設計。高度な機能や連携が必要な場合に適する |
※機能・ページ数で大きく変動するため目安としてご参照ください。
保守・運用費用の目安
項目 |
月額費用 |
内容 |
---|---|---|
サーバー・ドメイン費用 |
5,000~3万円 |
サーバーのスペック、セキュリティレベルによる |
CMS利用料 |
0~5万円 |
無料のWordPressから専用CMSまで様々 |
保守・サポート費 |
1~10万円 |
更新代行、障害対応、セキュリティ管理など |
SEO対策・コンテンツ制作 |
5~30万円 |
継続的なSEO施策、記事制作など(オプション) |
制作期間の目安
タイプ |
期間 |
備考 |
---|---|---|
テンプレート型 |
1~2ヶ月 |
デザインや機能のカスタマイズ度合いで変動 |
オーダーメイド型 |
2~4ヶ月 |
要件定義?デザイン?開発?テストの標準的な流れ |
フルスクラッチ型 |
3~6ヶ月以上 |
高度な機能連携や大量コンテンツがある場合はさらに長期化 |
予算と納期のバランスを考慮して、最初から完璧を目指すよりも、核となる機能から段階的に拡張していくアプローチも検討価値があります。特に運用しながら改善を重ねるWeb制作では、柔軟な対応が可能な制作会社を選ぶことが重要です。
制作フローと各フェーズのチェックポイント
効率的かつ確実なホームページ制作のために、各フェーズで押さえるべきポイントを解説します。
1. 企画・要件定義フェーズ
チェックポイント
- ターゲットユーザーの明確化
- 競合サイトの分析
- 目標KPIの設定
- 必要機能のリストアップ
- サイトマップ(ページ構成)の作成
- 予算・スケジュールの確定
このフェーズでの綿密な準備が後工程のスムーズさを左右します。特に競合分析は、差別化ポイントを見つける重要なステップです。
2. デザイン設計フェーズ
チェックポイント
- ワイヤーフレーム(画面レイアウト案)の確認
- デザインカンプ(完成イメージ)の評価
- ブランドイメージとの整合性
- スマホ表示の最適化 – ユーザー導線の確認
- 問い合わせ動線の明確さ
デザインは「見た目の良さ」だけでなく、「使いやすさ」「目的達成のしやすさ」を重視しましょう。特に不動産サイトでは、情報の見つけやすさと問い合わせのしやすさが成果に直結します。
3. 開発フェーズ
チェックポイント
- 物件データベースの設計
- CMS機能の使いやすさ
- 外部システム連携の確認
- レスポンシブ対応の品質
- 表示速度の最適化
- SEO基本設定の実装
開発段階では、定期的な進捗確認と中間チェックが重要です。特にCMSの操作性は実際に触って確認することをお勧めします。
4. テスト・検証フェーズ
チェックポイント
- 各機能の動作検証
- 複数ブラウザでの表示確認
- スマホ・タブレット表示の確認
- 入力フォームのエラー処理
- セキュリティチェック
- 表示速度の測定
テストは「自社スタッフによる実使用テスト」も効果的です。実際に使う立場で操作することで、本番運用での課題が見つかりやすくなります。
5. 公開・運用フェーズ
チェックポイント
- 301リダイレクト設定(リニューアル時)
- Google Search Consoleの設定
- アクセス解析の導入
- 定期バックアップの確認
- セキュリティアップデート体制
- 運用マニュアルの整備
公開後すぐに効果測定を始め、PDCAサイクルを回していく体制を整えることが長期的な成功のカギです。
改善事例:成果を上げた不動産会社のホームページ戦略
ブランディングテクノロジーが支援した実際の改善事例をご紹介します。
事例1:株式会社サカタ

課題
関東圏で不動産売買を展開する中規模不動産会社。これまで一括査定サイトからの問い合わせが月に10件程度あったものの、成約率は1割程度と低く、効率的な集客方法を模索していました。
改善アプローチ
- 売却に特化した自社ホームページの構築
- コンテンツ強化
- 地域別の売却事例の詳細な紹介
- 売主向けの不動産売却ノウハウの充実
- 会社の実績・強みを具体的に提示
- 問い合わせフローの最適化
- 各ページからスムーズに査定依頼へ誘導
- 複数の問い合わせ方法(電話・メール・LINE)を設置
- 簡易査定フォームの導入
成果
- ホームページからの査定依頼が年間70~80件に増加(以前の5倍以上)
- 査定依頼からの成約率が約80%と大幅アップ
- 一括査定サイトへの依存度が低下し、広告費の削減に成功
- 地域内での認知度向上(チラシとの相乗効果)
特に効果的だったのは、ポータルサイトや一括査定サイトでは実現できない「会社の強みや特徴」を明確に打ち出したコンテンツ戦略です。訪問者数は多くなくても、すでに「この会社に依頼したい」という意向を持った質の高い問い合わせが増えたことが、成約率向上の鍵となりました。
事例詳細:フランチャイズ・査定サイトに依存せず、自社ホームページ構築で不動産売却依頼500%増加!
事例2:誠心不動産

課題
地方都市で40年以上の歴史を持つ老舗不動産会社。従来型の広告(新聞折込・ポスティング)に年間約600万円の費用をかけていたものの、反響が減少傾向にありました。また、旧サイトはスマホ対応しておらず、更新も滞っていました。
改善アプローチ
- ターゲット再定義
- 主力としたい「不動産売却」に特化したサイト設計
- 40~60代の地元住民をメインターゲットに設定
- コンテンツ戦略
- 売買と賃貸それぞれに特化したブログを定期更新
- 実際の査定依頼内容や成約事例の詳細な紹介
- 売主向けお役立ち情報の充実
- Web集客の仕組み化
- リスティング広告とSEO対策の併用
- 自社で更新できるCMSの導入
- アクセス解析に基づく継続的な改善
成果
- 不動産売却受託数が従来の12倍に増加
- 広告費を年間600万円削減(紙媒体からWeb広告へのシフト)
- 競合他社が同様の戦略を取り始めた後も、コンテンツの質と更新頻度で差別化し、反響を維持
この事例から学べる重要なポイントは、「単にホームページを作るだけでなく、ターゲット顧客に響く質の高いコンテンツを継続的に提供すること」の重要性です。特に地方の不動産会社では、地域情報や具体的な取引事例など、その地域に密着した情報を提供することで、大手にはない強みを発揮できることが示されています。
事例詳細:ホームページのリニューアルで不動産売却受託数を「12倍」にして広告費「600万円削減」を実現した施策とは?
制作会社選定の5つの判断基準
不動産ホームページの成功は、制作会社選びから始まります。以下の5つの基準で比較検討することをお勧めします。
1. 不動産業界の実績と理解度
チェックポイント
- 不動産サイトの制作実績数
- 物件検索システムの構築経験
- レインズ等との連携実績
- 不動産業界特有の規制や慣習の理解
単にデザインが優れているだけでなく、不動産業界特有のニーズや課題を理解していることが重要です。制作実績の具体的な成果数値も可能な範囲で確認しましょう。
2. 要件ヒアリング力とコミュニケーション
チェックポイント
- 初回打ち合わせの質問内容
- 業界用語の理解度
- 提案の具体性と根拠
- レスポンスの速さと丁寧さ
良質なサイトは綿密なヒアリングから生まれます。特に「なぜそれが必要か」「どう成果につながるか」を論理的に説明できる制作会社を選びましょう。
3. デザイン・技術力の評価
チェックポイント
- ポートフォリオの質と多様性
- 最新のデザイントレンドへの対応
- モバイルファーストの理解
- 技術的な提案力
デザインの好みは主観的ですが、「使いやすさ」と「目的達成のしやすさ」という客観的な基準で評価することが大切です。また、技術トレンドへの対応も長期運用を見据えると重要な要素となります。
4. アフターサポート体制
チェックポイント
- 保守・運用サポートの内容
- トラブル時の対応体制
- 更新サポートの範囲
- 改善提案の有無
ホームページは「作って終わり」ではなく、継続的な運用と改善が必要です。長期的なパートナーとして信頼できるかどうかを重視しましょう。
5. 契約条件と権利関係
チェックポイント
- 著作権・ソースコードの帰属
- 保守・更新の料金体系
- 契約期間と解約条件
- 追加開発の料金設定
後々のトラブルを避けるために、特に著作権やソースコードの所有権は契約前に明確にしておくことが重要です。万が一、制作会社を変更する場合にもスムーズな引継ぎができるよう、契約内容を確認しておきましょう。
よくある質問(FAQ)
不動産会社様からよくいただく質問とその回答をまとめました。
Q1: テンプレートとフルスクラッチの違いは何ですか?
A: テンプレートは既存のデザイン・機能を組み合わせて制作する方法で、コストを抑えて短期間で制作できるメリットがあります。
一方、フルスクラッチは一から設計・開発するため、完全にオリジナルの機能やデザインが実現可能ですが、コストと時間がかかります。
中小規模の不動産会社様であれば、まずはテンプレートベースで核となる機能を実装し、運用しながら必要に応じてカスタマイズしていくアプローチが費用対効果に優れています。
Q2: 自社更新と委託更新、どちらが良いですか?
A: それぞれにメリット・デメリットがあります。
自社更新の場合
- メリット:タイムリーな更新、コスト削減、社内ノウハウの蓄積
- デメリット:担当者の負担、品質にばらつきが出る可能性
委託更新の場合
- メリット:プロによる高品質な更新、社内リソースの節約
- デメリット:コストがかかる、更新に時間がかかることも
理想的なのは、日常的な物件情報更新は自社で行い、コンテンツ制作やSEO施策など専門性の高い部分は外部委託するという「ハイブリッド型」です。CMSの使いやすさと社内の運用体制に合わせて選択しましょう。
Q3: SSLやセキュリティ対策は必須ですか?
A: 端的に言えば、はい、必須です。理由は以下の通りです:
- Googleが非SSL(HTTP)サイトにペナルティを課しており、SEO面で不利になる
- お客様の個人情報を扱うため、情報漏洩リスク対策は不可欠
- ブラウザで「保護されていない通信」と警告が表示されると信頼性が大きく損なわれる
特に不動産サイトでは、問い合わせフォームで個人情報を取得するケースが多いため、セキュリティ対策は信頼性の基本条件と考えましょう。
Q4: SEO対策はどの程度必要ですか?
A: 「どれだけ検索流入に依存するか」によって必要な対策レベルは変わります。基本的には以下の3段階で考えるとよいでしょう:
基本対策(必須)
- 適切なタイトルタグ・メタディスクリプション設定
- 構造化データの実装
- サイトマップの提出
- モバイルフレンドリー対応
- 高速表示の最適化
中級対策(推奨)
- 地域特化型のコンテンツ制作(月1~2回)
- 内部リンク構造の最適化
- 検索ユーザーの意図を反映したコンテンツ設計
上級対策(差別化)
- 専門性の高い不動産コンテンツの定期投稿
- 権威性を高める外部リンク施策
- 競合分析に基づく差別化キーワード戦略
少なくとも「基本対策」は全ての不動産サイトで実装すべきです。さらに成果を上げたい場合は、段階的に中級・上級対策に取り組みましょう。
Q5: 制作後のメンテナンス費用の相場はいくらですか?
A: 一般的な相場は以下の通りです:
- 最小限の保守(セキュリティ対策・バックアップのみ):月1~3万円
- 標準的な保守(上記+軽微な修正・更新代行):月3~5万円
- 総合的な運用サポート(上記+SEO対策・コンテンツ制作):月10~30万円
メンテナンス費用は「保険」と考えることをお勧めします。特にセキュリティ対策やバックアップは、トラブル発生時の損害を考えると必須の投資です。
まとめ
不動産会社のホームページは、単なる情報発信ツールではなく、「24時間営業する優秀な営業マン」です。適切に設計・制作・運用することで、競合他社との差別化と持続的な集客につながります。
本記事で解説した「3大成果目標」と「10の必須機能」を参考に、貴社にとって最適なホームページ制作を進めていただければ幸いです。
ブランディングテクノロジー株式会社では、中堅・中小企業様向けに、ブランドのプランニングからデジタルマーケティング領域全般のサービスを提供しています。不動産業界の集客でお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
次のステップ
- 現状のホームページの課題を洗い出す
- 明確なターゲット設定と競合分析を行う
- 必要な機能とコンテンツを整理する
- 信頼できる制作パートナーを選定する
適切な投資と戦略で、ホームページを貴社の重要な経営資産に育てていきましょう。