グループ化・M&A・事業承継時に強いブランディング支援会社4選!《2026年版》
目次
- グループ化・M&A・事業承継時のブランディングとは
- 支援会社を選ぶ際の4つの重要ポイント
- 1. 自社と近い「転換の種類」を経験しているか
- 2. 経営の意図をブランド体系や表現へ落とせるか
- 3. 社員の合意形成と浸透を設計できるか
- 4. 公開後の運用と効果確認まで相談できるか
- ブランディング支援会社4選《早見表》
- 1. TOPPAN株式会社
- 2. ブランディングテクノロジー株式会社
- 3. 株式会社博報堂コンサルティング
- 4. 株式会社パラドックス
- M&A後のブランディングの進め方
- 1. 原則は新体制発足後。ただしギャップが大きい場合は早期に着手する
- 2. ブランディングは中期PMIの一部として捉える
- 3. 社名や既存ブランドを残すかは、先にブランド体系を決めて判断する
- 4. 方向性はトップが示し、具体化には社員を巻き込む
- 5. ロゴは「外側」。一体感には内面と言語の統合が必要
- 6. M&A・ホールディングス化・事業承継の共通点と違い
- 7. 優先順位は「体系と言葉」を先に決め、必要な接点へ展開する
- 本記事の監修
- 中堅・中小企業向けブランディングサービス資料
記事監修:松井 寛志
ブランディングテクノロジー株式会社
経営戦略室 クリエイティブディレクター
一般社団法人 ブランド・プランナー協会 代表理事
毎月ブランディング担当者様のための相談会を行っています!《詳細》
M&Aやグループ再編、事業承継では、契約や組織図を整えるだけで新しい会社が一つになるわけではありません。旧会社ごとの理念や文化、顧客からの見え方、商品・サービスの名称、社員の帰属意識が残るため、「何を受け継ぎ、何を変え、これから何を目指すのか」を言葉と体験で示す必要があります。
この段階のブランディングは、ロゴ変更だけでは不十分です。経営方針、理念、ブランド体系、名称・VI、社内浸透、顧客・採用候補者への発信をつなげて設計することが重要です。本記事では、公式サイトで統合・再編・事業承継に関係するサービスや事例を確認できた4社を、向いている課題別に紹介します。
このような方におすすめ
- M&A後、旧会社の文化や社員意識を一つにまとめたい方
- 持株会社化やグループ再編に伴い、ブランド体系を整理したい方
- 合併後の新社名、ロゴ、理念、対外発信を一貫させたい方
- 事業承継を機に、自社の強みや将来像を再定義したい経営者・後継者
- 支援会社を比較する基準を知りたい経営企画・広報・人事担当者
グループ化・M&A・事業承継時のブランディングとは
ここでいうブランディングとは、統合や承継後の会社が「何者で、誰にどのような価値を約束するのか」を定め、その約束を社内外の接点で一貫させる取り組みです。M&Aの契約実務、法務・財務デューデリジェンス、人事制度や業務システムの統合そのものとは役割が異なります。
一方、PMI(M&A後の統合プロセス)では、経営方針や組織制度を実際に機能させるための共通言語とコミュニケーションが欠かせません。ブランディングは、理念・ブランド体系・名称・VI・社内対話・顧客発信を通じて、その部分を支えます。
M&A仲介会社やPMIコンサルティング会社は、取引、制度、業務、人事、統合計画を主に支援します。一方、本記事で紹介するブランディング支援会社は、統合後の理念、ブランド体系、名称・VI、社員浸透、顧客への発信を主な対象とします。法務・財務や業務統合も必要な場合は、それぞれの専門会社と連携する前提で依頼範囲を設計してください。
| 整理する領域 | 主な問い | 代表的な成果物・活動 |
|---|---|---|
| 経営・理念 | 統合や承継で何を実現するのか | パーパス、理念、ビジョン、バリュー |
| ブランド体系 | 会社・事業・商品名をどう関係づけるか | ブランドポートフォリオ、名称方針 |
| 表現・顧客接点 | 新しい約束をどう見せ、伝えるか | 社名、ロゴ・VI、Web、営業・広報資料 |
| 組織・浸透 | 社員が理解し、行動できる状態をどうつくるか | 調査、対話、ワークショップ、ガイドライン、研修 |
支援会社を選ぶ際の4つの重要ポイント
1. 自社と近い「転換の種類」を経験しているか
M&A、事業統合、持株会社化、グループ再編、親族内承継では、関係者と難所が異なります。業界の近さだけでなく、統合する会社数、既存ブランドを残すか、新社名をつくるか、社員の文化統合が必要かまで見て事例を確認しましょう。
2. 経営の意図をブランド体系や表現へ落とせるか
理念だけをつくっても、会社名・事業名・商品名の関係や、顧客への説明が変わらなければ統合効果は伝わりません。経営戦略を理解し、ブランド体系、ネーミング、VI、Web・営業資料まで一貫して設計できる範囲を確認してください。
3. 社員の合意形成と浸透を設計できるか
統合後の理念を経営陣だけで決めると、旧会社の社員が「自分たちのもの」と感じにくい場合があります。調査、対話、ワークショップ、管理職支援、日常業務への実装など、策定後の浸透までどのように進めるかを比較します。
4. 公開後の運用と効果確認まで相談できるか
新ブランドは発表日がゴールではありません。ガイドライン、ブランド管理体制、採用・営業での活用、社内理解や認知の確認など、運用段階の支援範囲を聞きましょう。外部支援終了後に社内で回せる状態をつくれるかも重要です。
グループ化・M&A・事業承継時に強いブランディング支援会社4選《早見表》
今回は、公式サイトで統合・再編・グループ化・事業承継に関係する具体的な顧客支援実績を確認でき、理念・戦略・ブランド体系・社内浸透のいずれかを扱う4社を選定しました。タイトルの「強い」は、これらの公開実績との適合を示すものであり、客観的な順位や業界首位を意味しません。掲載順も順位を示すものではありません。
なお、ブランディングテクノロジー株式会社は本記事の発信元です。自社を含め、4社の公式情報を同じ比較軸で整理しています。
| 会社 | このような企業におすすめ |
|---|---|
| TOPPAN株式会社 | 新会社・グループの名称や見え方を大規模に統一したい企業 |
| ブランディングテクノロジー株式会社 | グループ各社の役割とつながりを整理し、社内外へ発信したい企業 |
| 株式会社博報堂コンサルティング | 多数のブランド・組織・関係者を一つの構造へ整理したい企業 |
| 株式会社パラドックス | 統合後の社員を共通の志で束ね、浸透まで進めたい企業 |
1. TOPPAN株式会社
画像引用元:TOPPAN株式会社サービスページ(https://www.toppan.com/ja/joho/branding/)
TOPPANは、ブランド戦略からネーミング、CI・VI、インナーブランディング、各種コミュニケーションへの展開を支援しています。公式Topicsでは、企業合併に伴うレイズネクストの新社名・VI開発、経営統合による三十三フィナンシャルグループのグループブランディングなどを公開しています。合併後の新しいブランドを幅広い接点へ展開したい大手・グループ企業に向く候補です。
| 設立 | 2023年3月 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都台東区 |
| 公式サイトURL | https://www.toppan.com/ja/ |
| 対応領域 | ブランド戦略、CI・VI、ネーミング、グループブランディング、インナーブランディング、各種コミュニケーション |
| 事業概要 | 情報系・生活系・エレクトロニクス系の事業基盤を持ち、ブランド領域では戦略策定や合意形成から、名称・VI・各種コミュニケーションへの展開まで総合的に支援します。 |
| 事例傾向 | レイズネクストの合併に伴う新社名・VI、三十三フィナンシャルグループの経営統合、静岡鉄道グループのVI・社内浸透など、合併やグループ再編を起点とした事例が見られます。 |
| このような企業におすすめ | 大手・グループ企業で、合併、経営統合、社名変更などと連動した大規模なブランド統合を進めたい企業 |
2. ブランディングテクノロジー株式会社
画像引用元:ブランディングテクノロジー株式会社公式サイト(https://www.branding-t.co.jp/case/branding/12012/)
ブランディングテクノロジーは、中堅・中小企業を中心に、グループのミッション・ビジョン、ブランド体系、各社の役割やメッセージを整理し、グループサイトや採用・事業活動へ展開しています。公式ページでは、広川グループ、グッドグループ、不二ホールディングスの3つの支援実績を公開。グループ各社のつながりやシナジーを言語化し、社内外への発信まで一体で進めたい企業に適しています。
| 設立 | 2001年8月 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都渋谷区 |
| 公式サイトURL | https://www.branding-t.co.jp/ |
| 対応領域 | ブランド戦略、ブランド体系、ミッション・ビジョン、各社の言語開発、Web、採用、インナーブランディング |
| 事業概要 | ブランド事業とデジタルマーケティング事業を展開し、中堅・中小企業を中心に、ブランドの整理・構築からWebや採用などの具体的な接点への実装・運用まで支援します。 |
| 事例傾向 | 広川グループでは強み・シナジーの整理と採用発信、グッドグループではブランド体系と各社タグライン、不二ホールディングスでは理念・VI・サイトの構築を支援しています。 |
| このような企業におすすめ | グループ各社の役割とつながりを整理し、Web・採用・事業活動まで一体で展開したい中堅・中小企業 |
※ブランディングテクノロジー株式会社は、本記事を運営する企業です。
3. 株式会社博報堂コンサルティング
画像引用元:株式会社博報堂コンサルティング公式サイト(https://www.hakuhodo-consulting.co.jp/)
博報堂コンサルティングは、M&Aや事業多角化で増えた企業・事業・商品ブランドを整理し、グループ全体のブランド体系を再構築するサービスを掲げています。東京科学大学の統合事例では、理念・ブランド戦略・VI・インナーとアウターの実行・運用体制まで一貫して支援。複雑なブランド構造と多様な関係者の合意形成を同時に進めたい企業に適しています。
| 設立 | 2001年4月 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都千代田区 |
| 公式サイトURL | https://www.hakuhodo-consulting.co.jp/ |
| 対応領域 | ブランドポートフォリオ、パーパス・ビジョン、ブランド戦略、CI・VI、インターナル、組織・運用体制 |
| 事業概要 | ブランドを起点に、経営戦略、顧客体験、組織文化を横断するコンサルティングを提供し、ブランド体系の再構築から社内外への実行、運用体制づくりまで支援します。 |
| 事例傾向 | 東京科学大学の統合では理念・VI・社内外施策と運用体制を支援。グローバル専門商社C社では、事業・グループ拡大後のアイデンティティと一体感の再構築に取り組んでいます。 |
| このような企業におすすめ | 多数のブランドや組織を、経営戦略・顧客視点・社内事情の3方向から再設計したい大手・グローバル企業 |
4. 株式会社パラドックス
画像引用元:株式会社パラドックス公式サイト(https://prdx.co.jp/)
パラドックスは、企業の「志」を軸に、理念、コーポレート、インナー、採用、顧客向けのブランディングを横断します。長谷工シニアウェルデザインの事例では、グループ内2社の事業再編統合に際し、理念策定から施設ブランドの整理、象徴サービスの開発まで伴走。統合後の社員が共に目指せる旗印をつくり、社内外へ浸透させたい企業に向く候補です。
| 設立 | 2001年 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都渋谷区 |
| 公式サイトURL | https://prdx.co.jp/ |
| 対応領域 | 理念、コーポレート、インナー、採用、カスタマー、チーム、空間、映像・Webなどのクリエイティブ |
| 事業概要 | 企業の「志」を軸に、理念開発から社員への浸透、採用・顧客向けコミュニケーション、クリエイティブ制作まで横断し、人と組織に伴走します。 |
| 事例傾向 | 長谷工シニアウェルデザインの2社統合、神鋼環境ソリューションの事業統合前の理念開発、HAKUBA GROUPの4社連携と理念浸透など、組織の共通軸をつくる事例が見られます。 |
| このような企業におすすめ | 旧組織の違いを越えて社員が共感できる理念をつくり、採用・顧客接点まで一貫して浸透させたい企業 |
M&A後のブランディングの進め方
1. 新体制発足後に「プロジェクト」として始動
M&A後のブランディングは、新しい経営体制が発足し、誰が意思決定を担うかが明確になった段階でプロジェクト化するのが基本です。一方、新体制が目指す方向と、既存の企業文化・価値観・組織体質とのギャップが大きい場合は、時間を置くほど現場の迷いや対立が固定化しやすくなります。その場合は、統合後の正式なブランド発表を待つのではなく、方向性や価値観を整理する対話から早期に始めるべきです。
2. ブランディングは中期PMIの一部として捉える
PMIでは、Day1対応や100日計画など、短期間で決めて実行すべき事項があります。一方、旧会社間の価値観をすり合わせ、一体感を醸成し、共通の行動へ変えていくには時間がかかります。ブランディングはロゴや発表物を制作する単発施策ではなく、理念、共通言語、社員参加、顧客への発信をつなぐ中期的なPMIとして位置づけることが重要です。
3. 社名や既存ブランドを残すかは、先にブランド体系を決めて判断する
買収先の社名やブランドを残すべきか、一つのグループブランドへ統合すべきかに共通の正解はありません。グループブランド、コーポレートブランド、事業ブランド、商品・サービスブランドを将来どのような関係にしたいかによって判断が変わります。個別案件のたびに無計画な名称変更やブランド追加を行うと、後から全体の体系を整理できなくなるため、M&Aの継続方針も踏まえた統合ルールを先に設計する必要があります。
4. 方向性はトップが示し、具体化には社員を巻き込む
新体制となったグループの方向性を最終的に示せるのはトップです。しかし、トップダウンだけで理念や価値観を押し進めると、本来辞めてほしくなかった人材や、統合後に活躍してほしい人材との間に摩擦が生まれ、離職につながる可能性があります。トップが大きな方向性を定めたうえで、旧会社や部門を代表する一定のメンバーを巻き込み、言葉と行動を具体化する進め方が適しています。
5. ロゴは「外側」。一体感には内面と言語の統合が必要
ロゴは統合後のブランドを象徴する重要な要素ですが、あくまで外側の表現です。目指す方向、価値観、各社の役割が曖昧なままロゴだけを統一しても、社員の一体感は生まれません。ロゴ開発の前に言語化へ取り組み、その過程でメンバーを巻き込むことで、完成後の理解度と一体感に差が生まれます。
6. M&A・ホールディングス化・事業承継の共通点と違い
3つに共通するのは、経営上の転換を機に「何を受け継ぎ、何を変え、今後どの価値を生み出すか」を明確にする必要があることです。ただし、重点は異なります。
| 転換の種類 | 特に整理すべきこと | 主な関係者・摩擦 |
|---|---|---|
| M&A | 買収目的、両社の価値観、統合後のブランド体系、文化統合 | 買い手・売り手、旧会社間の不安や力関係 |
| ホールディングス化・グループ化 | グループの存在意義、各社の役割、共通項と独自性、名称ルール | 親会社と事業会社、グループ内の縦割り |
| 事業承継 | 先代から受け継ぐ価値、後継者が変える方針、社員・顧客への説明 | 先代と後継者、古参社員と新体制 |
7. 優先順位は「体系と言葉」を先に決め、必要な接点へ展開する
最初にブランド体系と、グループとして目指す方向・各社の役割を示す言葉を揃えます。その後、統合日、採用課題、営業課題など経営上の緊急度に応じて、Web、採用、営業の順番を決めます。Webを常に先に作るのではなく、先に決めた体系と言葉を、最も重要な接点から反映する考え方です。社員の理解が重要な局面では、社外発信より先に管理職説明や対話の場を設ける場合もあります。
本記事の監修
松井 寛志
ブランディングテクノロジー株式会社
経営戦略室 クリエイティブディレクター
一般社団法人 ブランド・プランナー協会 代表理事
2007年にブランディングテクノロジーに入社。制作部門でデザイナーとして年間100社以上の中小企業様の集客支援を行う。2011年~2013年にかけてスマートフォン向けWebサービスや、中小企業様向けブランディングサービスの立ち上げを経験。
2015年には企業ブランディングの資格認定を行う一般社団法人の設立に関わり、現在は代表理事として運営を行っている。2018年にはこれらの経験を活かし、自社の社名変更およびリブランディングにおけるCI構築を担当。2019年からは社内外のブランド浸透に関わり、ブランドを起点に日々発信活動を行っている。
中堅・中小企業向けブランディングサービス資料
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