Case ブランディング成功事例・ノウハウ

厳選!お勧めインナーブランディング支援会社6選《中堅・中小企業向け》

ブランディングテクノロジー 株式会社 経営戦略室 クリエイティブディレクター 松井 寛志

記事監修:松井 寛志
ブランディングテクノロジー 株式会社
経営戦略室 クリエイティブディレクター
一般社団法人 ブランド・プランナー協会 代表理事
毎月ブランディング担当者様のための相談会を行っています!《詳細》

「ブランディング」と聞くと、多くの方がロゴや広告など、社外に向けた活動をイメージするかもしれません。しかし今、企業の成長の鍵はむしろ社内にあります。

社員一人ひとりが自社のブランドを深く理解し、行動で示す「インナーブランディング」。サービスや体験の価値が重視される現代において、その重要性はかつてないほど高まっています。

この記事では、インナーブランディングで失敗しないための支援会社の選び方から、実績ある専門企業6社まで、私たちの知見を交えて分かりやすく解説します。
※インナーブランディングは、「インターナルブランディング」と呼ばれることもあります。

このような方におすすめの記事です

  • 会社の次の成長ステージに向けて、組織の一体感を醸成したい方
  • 社員のエンゲージメント向上や理念浸透に課題を感じている方
  • インナーブランディングの重要性は理解しているが、具体的な進め方がわからない方
  • 複数のインナーブランディング支援会社を比較検討しており、選ぶ基準を知りたい方
  • 従業員の離職率の高さや、部門間の連携不足といった組織課題にお悩みの方

まずは自社の「現在地」を知ることから始めましょう

インナーブランディングを成功させる鍵は、いきなり施策を始めることではなく、まず自社がどの段階にいるのかを正確に把握することにあります。全体のプロセスを理解し、客観的な視点で自社の「現在地」を診断することが、効果的な施策と最適なパートナー選定に繋がる第一歩です。

インナーブランディングは、大きく分けて「認識」「共感」「体現」の3つのステップで進んでいきます

インナーブランディングは、大きく分けて「認識」「共感」「体現」の3つのステップで進んでいきます。まずは自社の状況がどのフェーズに当てはまるか、またはどのフェーズに課題があるかを確認してみましょう。

フェーズ 目指す状態 主な活動 チェックポイント
ステップ1
初期・認識フェーズ
ブランドの想いや哲学を言語化・可視化し、社員が「知っている」状態を目指す段階です。 ブランドの言語化、経営陣のコミットメント、社内への定期的な情報発信など。 企業理念やブランドの価値観は、社員なら誰でも説明できるくらい明確に定義され、共有されていますか?
ステップ2
中期・共感フェーズ
ブランドへの理解を深め、社員が「自分ゴト」として共感している状態を目指す段階です。特に、現場と経営をつなぐマネジメント層の理解と共感が重要となります。 マネジメント層への浸透、人事制度やオフィス環境への反映、サーベイによる浸透度確認など。 社内アンケートなどで、理念やブランドへの共感度を示すスコアは高いですか?評価制度や日々の業務ツールにブランドの考え方が反映されていますか?
ステップ3
後期・体現フェーズ
社員一人ひとりが自発的にブランドを意識した行動を取り、社内外に体現している状態を目指す最終段階です。 全社員への自分ゴト化の促進、ブランドを体現する社員の表彰、採用活動との連携など。 社員の行動や言動に、ブランドらしさが自然に表れていますか?社風やカルチャーとして根付いている実感はありますか?
正しい状況理解が、最適な一手へと導く

自社のフェーズを客観的に把握することで、「次に何をすべきか」が明確になります。例えば、「認識」フェーズに課題があるのに、いきなり全社イベント(体現フェーズの施策)を行っても効果は限定的です。

自社の状態や社内アンケートのスコアなどを基に現在地を正しく理解することこそが、無駄のない投資と、本当に効果のある施策の実行、そしてそれを支援してくれる最適なパートナー選びへと繋がるのです。

インナーブランディング支援会社を選ぶ際の3つの重要ポイント

数ある支援会社の中から自社に最適なパートナーを見つけるために、特に重要だと考えている3つの視点をお伝えします。

1.現場を巻き込むプロセスを重視しているか

インナーブランディングの主役は、あくまで現場の社員です。経営層だけで作り上げた理念やビジョンをトップダウンで押し付けても、社員は「自分ゴト」として捉えられません。社員アンケートやインタビューで丁寧に現状の課題を吸い上げたり、ワークショップを通じてブランドについて考える機会を設けたりと、社員を「巻き込む」プロセスを大切にしてくれる会社を選びましょう。

2.ブランディングだけでなく組織や人事領域に対する理解度が高いか

インナーブランディングは、単なるコミュニケーション施策ではありません。時には、評価制度の見直しや組織構造の改革といった、より深い組織・人事領域へのアプローチが必要になる場面もあります。ブランド戦略と組織戦略・人事戦略を連動させて考えられる、高い視座と専門性を持った会社かどうかを見極めることが重要です。

3.一過性で終わらず中長期の活動を前提とした仕組み作りが出来るか

社内イベントや研修で一時的に盛り上がっても、日常業務に戻れば熱量はすぐに冷めてしまいます。重要なのは、ブランドの価値観を継続的に共有し、文化として根付かせる「仕組み」です。Web社内報のような情報発信の場を構築したり、日々の業務にブランド理念を意識させるツールを導入したりと、中長期的な視点で伴走してくれるパートナーを選びましょう。

厳選!お勧めインナーブランディング支援会社6選

今回は、中堅・中小企業向けにインナーブランディング支援を行っている企業の中から、ブランディングプロセス、インナーブランディングへの介入度や幅の広さ、中長期での伴走支援などを総合的に評価し厳選した6社をご紹介します。当社も企業ブランディング、インナーブランディング領域を長年重要視してきた背景もあり、同業他社を含めた上でフラットな目線から選定に入れています。

1.株式会社ソフィア

周年事業や社内イベントのプロデュースを強みとし、理念浸透や組織活性化を支援。インナーコミュニケーション領域のコンサルティングやクリエイティブ制作も手掛ける。

画像引用元:株式会社ソフィア公式サイト(https://www.sofia-inc.com/

ソフィア社は、インナーブランディングを深く理解されており、その本質的なノウハウをWebサイト等でも積極的に発信されています。特に従業員エンゲージメント向上を目的としたコミュニケーションデザインに強みを持ち、メディアとリアルを組み合わせた施策で社員の意識変革を促します。豊富な実績に裏打ちされた充実のサービスラインナップも魅力です。

設立 2001年
所在地 東京都港区
公式サイトURL https://www.sofia-inc.com/
事業概要 社内広報やインターナルコミュニケーションのコンサルティングを主軸に、Web社内報などのメディア制作からイベント企画まで、従業員のエンゲージメント向上を支援。

2.株式会社ゼロイン

株式会社ゼロイン

画像引用元:株式会社ゼロイン公式サイト(https://www.zeroin.co.jp/

インナーブランディング領域に特に重きを置いている会社です。同社が運営するインナーブランディングの取材メディア「CAPPY」は、実践的なノウハウが満載でとても参考になります。周年事業や社内イベントといった「非日常」の施策を、会社の理念やビジョンと結びつけ、社員の共感と主体的な行動を促すストーリー設計を得意としています。

設立 1998年
所在地 東京都千代田区
公式サイトURL https://www.zeroin.co.jp/
事業概要 周年事業や社内イベントのプロデュースを強みとし、理念浸透や組織活性化を支援。インナーコミュニケーション領域のコンサルティングやクリエイティブ制作も手掛ける。

3.株式会社揚羽

株式会社揚羽

画像引用元:株式会社揚羽公式サイト(https://www.ageha.tv/

採用やIR領域も含め、企業やグループを対象としたブランディングに非常に強い会社です。そのノウハウはインナーブランディングにも遺憾なく発揮され、特に映像やWebサイトといったクリエイティブの力で社員の心を動かし、深い共感を生み出すことに長けています。経営層の想いや企業の「らしさ」を、社員が誇りに思えるような魅力的なコンテンツへと昇華させてくれます。

設立 2001年
所在地 東京都中央区八丁堀
公式サイトURL https://www.ageha.tv/
事業概要 採用からインナー、サステナビリティまで企業のブランディングを幅広く支援。特に映像やWebサイトなど、人の心を動かす質の高いクリエイティブ制作に定評がある。

4.株式会社タナベコンサルティング

株式会社タナベコンサルティング

画像引用元:株式会社タナベコンサルティング公式サイト(https://www.tanabeconsulting.co.jp/

日本有数の経営コンサルティング会社として有名ですが、その知見を活かし、経営戦略や組織戦略と掛け合わせたインナーブランディングにも力を入れています。ブランドを企業の持続的成長の核と位置づけ、理念浸透のための仕組みづくりから評価制度との連動、次世代リーダーの育成まで、経営視点から一気通貫でサポートしてくれる心強い存在です。

設立 1963年
所在地 東京都千代田区
公式サイトURL https://www.tanabeconsulting.co.jp/
事業概要 経営コンサルティングを基盤に、ブランド戦略を組織・人事戦略と連動させて支援。理念浸透の仕組みづくりから、評価制度の構築、人材育成までを幅広く手掛ける。

5.株式会社パラドックス

5.株式会社パラドックス

画像引用元:株式会社パラドックス公式サイト(https://prdx.co.jp/

企業の「志(パーパス)」を言語化・視覚化し、ブランドの核を創り上げることを得意とする会社です。社員との対話を重ねて企業の内なる価値観や存在意義を発掘するプロセスは、それ自体が非常に質の高いインナーブランディングと言えます。「なんのためにこの会社は存在するのか」という根源的な問いから始めるため、策定されたブランドやパーパスは社員の深い納得感と誇りを醸成します。その「志」を浸透させるためのクレドや映像、Webサイトなどのクリエイティブの質も非常に高いのが特徴です。

設立 2001年
所在地 東京都渋谷区
公式サイトURL https://prdx.co.jp/
事業概要 企業の存在意義である「志(パーパス)」の策定を起点に、コーポレート、採用、インナーなど各種ブランディングを支援。理念の言語化・視覚化から浸透施策までを一貫して手掛ける。

6.ブランディングテクノロジー株式会社《グループ会社ファングリー》

ブランディングテクノロジー株式会社《グループ会社ファングリー》

2015年から「ブランドファースト」というブランドを起点とした経営を自ら実践しており、それがサービス提供のコンセプトにもなっています。企業やグループを対象としたブランディング実績が豊富で、特に現場の社員を巻き込むボトムアップ型のプロジェクトを数多く進めてきた経験が強みです。プロジェクトを通して、単に成果物を作るだけでなく、社内の意識改革まで推し進めてくれる頼れるパートナーです。

※ファングリーはブランディングテクノロジーのグループ会社でブランディング専門組織を有する

設立 2001年
所在地 東京都渋谷区南平台町
公式サイトURL https://www.branding-t.co.jp/
※ファングリー
https://fungry.co.jp/
事業概要 中堅・中小企業を対象に、インナーブランディングを軸としたブランド戦略策定からデジタルマーケティングまでをワンストップで支援。Webサイトや動画制作、研修ワークショップ、ブランド浸透サーベイまで幅広く対応する。

インナーブランディングの真のゴールは「自走する組織」

今回は支援会社の選び方という視点でお伝えしましたが、最も重要なのは、その支援を「きっかけ」として、社内で自走できる仕組みを築くことです。

インナーブランディングは、正しい型や推進体制を構築する初期段階こそ、プロの知見を借りるのが成功への近道です。しかし、これは数ヶ月で終わるプロジェクトではありません。数年、あるいは永続的に企業文化を育んでいく活動です。

経営層の揺るぎない意思のもと、継続できる体制を築いてこそ、一つひとつの施策が10回、100回と積み重なり、強固な企業カルチャーが生まれます。

支援会社を選ぶ際は、「最終的に自分たちが自走できる状態を一緒に目指してくれるか」という視点をぜひ持ってみてください。この記事が、貴社の未来を創るブランドづくりの、確かな第一歩となれば幸いです。

本記事の監修者

ブランディングテクノロジー 株式会社 経営戦略室 クリエイティブディレクター 松井 寛志

松井 寛志

ブランディングテクノロジー 株式会社
経営戦略室 クリエイティブディレクター
一般社団法人 ブランド・プランナー協会 代表理事

2007年にブランディングテクノロジーに入社。制作部門でデザイナーとして年間100社以上の中小企業様の集客支援を行う。2011年~2013年にかけスマートフォン向けのWebサービスの立上げや、中小企業様向けのブランディングサービスの立上げを経験。
2015年には企業ブランディングの資格認定を行う一般社団法人の設立に関わり、現在は代表理事として運営を行っている。2018年にはそれらの経験を活かし、自社の社名変更及びリブランディングにおけるCI構築を担当。2019年からは社内外のブランド浸透に関わり、ブランドを起点に日々発信活動を行っている。

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