採用動画サービスとは?人事が知るべき基礎知識と動画制作の流れ
近年、企業の採用活動において「動画」の活用が急速に広がっています。テキストベースの求人情報だけでは、会社の魅力や社風を十分に伝えることが難しく、応募者とのミスマッチに悩む人事担当者も多いのではないでしょうか。
そんな課題を解決する手段として注目されているのが「採用動画サービス」です。専門的な知見を持つプロに制作を依頼することで、効果的な採用動画を作成し、自社の魅力を最大限に伝えることができます。
ブランディングテクノロジー株式会社では、多くの中堅・中小企業様の採用ブランディングをサポートしてきた経験から、採用動画の重要性を実感しています。本記事では、採用動画サービスの基礎知識から制作の流れまで、人事担当者が知っておくべきポイントを詳しく解説します。
この記事でわかること
- 採用動画サービスの役割とメリット・デメリット
- 代表的な採用動画の種類と費用相場
- 制作依頼から納品までの具体的なプロセス
こんな人におすすめの記事内容です
- 初めて採用動画の導入を検討している人事・採用担当者
- 採用動画サービスの利用に関心はあるが、何から始めればいいか分からない方
- 自社制作とサービス利用で迷っている方
目次
- 1. そもそも採用動画サービスとは?
- 1-1. 採用動画サービスの役割
- 1-2. 自社制作(インハウス)や一般の制作会社との違い
- 2. 人事なら押さえておきたい!採用動画の5つの基礎知識
- 2-1. 【メリット】採用動画サービスを利用する5つのメリット
- 2-2. 【デメリット】導入前に知っておくべき注意点
- 2-3. 【目的別】代表的な採用動画の種類
- 2-4. 【費用】気になる料金相場と価格を決める要素
- 2-5. 【制作期間】ヒアリングから納品までの標準スケジュール
- 3. 制作前に必ず確認!計測設計と活用戦略
- 3-1. 効果測定のためのKPI設計
- 3-2. 配信チャネル別の推奨仕様
- 3-3. 再編集前提の設計戦略
- 3-4. アクセシビリティの配慮
- 4. 依頼から納品まで!採用動画制作の7ステップ
- 5. 失敗を防ぐ!制作時のチェックポイント
- 5-1. 法務・権利処理の確認事項
- 5-2. よくある失敗パターンとその回避方法
- 6. まとめ
SNS・ショート動画を活用した採用ブランディングサービスのご案内資料です。ぜひ活用ください!!
1. そもそも採用動画サービスとは?
1-1. 採用動画サービスの役割
採用動画サービスは、単なる「動画制作会社」のサービスではありません。採用課題の解決を目的とした専門サービスであり、以下のような特徴があります:
- 採用市場の動向や求職者のニーズを深く理解している
- ターゲット層に刺さる訴求ポイントを熟知している
- 採用活動における動画の効果的な活用方法を提案できる
- 人事担当者の工数削減や採用効率向上をサポートする
実際の事例
あるIT企業のエンジニア採用において、1日密着型の動画を導入しました。特設LP+YouTube広告で配信した結果、3か月で応募数が前年同期比約1.8倍に増加。仕事内容の具体性が伝わり、求職者の不安が解消された結果と考えられます。 ※集計条件:応募=Webフォーム送信数/有料媒体経由除外/比較期間=前年同月を含む連続3か月
1-2. 自社制作(インハウス)や一般の制作会社との違い
採用動画の制作方法は大きく3つに分けられます。それぞれの特徴を比較してみましょう。
| 項目 | 自社制作 | 一般の制作会社 | 採用動画サービス |
|---|---|---|---|
| コスト | 低(人件費のみ) | 中〜高 | 中 |
| クオリティ | 低〜中 | 高 | 高 |
| 専門性 | 低 | 中 | 高 |
| 工数 | 高 | 低 | 低 |
| 採用ノウハウ | なし | なし | あり |
採用動画サービスが有利な理由
- 専門知識の豊富さ:どのような動画が採用に効果的かを熟知している
- 効率性:採用に特化したテンプレートや手法を持っている
- 継続サポート:動画制作後の活用方法まで提案してくれる
2. 人事なら押さえておきたい!採用動画の5つの基礎知識
2-1. 【メリット】採用動画サービスを利用する5つのメリット
1. 企業理解の促進とブランディング向上
テキストでは伝わりにくい社風や雰囲気をリアルに伝えることができます。オフィスの様子や社員の表情、働き方などを視覚的に訴求し、求職者の企業理解を深めます。
2. 応募数の増加
動画は求職者の興味を引きやすく、エントリーへのハードルを下げる効果があります。特にSNSでの拡散性も高く、潜在的な求職者にもリーチできます。
3. 採用ミスマッチの防止
リアルな職場環境や業務内容を事前に伝えることで、入社後のギャップを減らし、早期離職の防止につながります。
4. 採用工数の削減
会社説明会の動画化により、何度も同じ説明をする手間を省け、人事担当者の負担を軽減できます。
5. 情報の拡散性
動画はSNS設計(尺・縦型/横型・サムネ・テキスト)を行った場合、露出拡大が期待できます。
2-2. 【デメリット】導入前に知っておくべき注意点
採用動画サービスの導入には、以下のような注意点もあります:
- 初期投資が必要:制作費用がかかるため、投資対効果を慎重に検討する必要がある
- 社内協力が不可欠:撮影や企画段階で社員の協力が必要
- クオリティリスク:制作会社選びを間違えると、逆効果になる可能性がある
2-3. 【目的別】代表的な採用動画の種類
採用動画には様々な種類があり、目的に応じて使い分けることが重要です。
会社紹介・コンセプトムービー
企業のビジョンや理念を伝える、ブランディング重視の動画。企業の価値観に共感する人材の獲得に効果的です。
社員インタビュー・座談会
実際に働く社員の生の声を伝える動画。リアルな働きがいや職場環境を求職者に伝えられます。
オフィスツアー・職場紹介
オフィス環境や設備を紹介する動画。働く環境への安心感を与え、エントリー意欲を高めます。
1日の仕事密着動画(Vlog風※4)
社員の1日に密着したドキュメンタリー風の動画。具体的な業務内容が分かり、仕事のイメージが湧きやすくなります。
※4 Vlog風:Video Blog(ビデオブログ)の略。日常の様子を記録した親しみやすい動画スタイル
社長・役員メッセージ
経営陣からのメッセージ動画。企業の方向性や成長性をアピールし、志の高い人材を惹きつけます。
2-4. 【費用】気になる料金相場と価格を決める要素
採用動画制作の費用は、制作内容によって大きく異なります。
※以下は首都圏・企業広報系の直近案件をもとにした参考レンジです。ロケ地・人員構成・撮影日数・演出(アニメ/3DCG等)により増減します。
| 価格帯 | 制作内容の目安 | 想定条件 | 適用場面 |
|---|---|---|---|
| 30万〜50万円 | 簡単な社員インタビューやオフィス紹介 | 撮影1日/1拠点/2〜3分尺/簡易編集 | 初回導入や予算限定時 |
| 50万〜100万円 | 複数パターンの撮影や本格的な編集 | 撮影2日/拠点2カ所/3〜5分尺/BGM・テロップ・軽微なモーショングラフィックス※インタビュー4〜6名、初稿提出まで約2〜3週間 | 本格的な採用強化時 |
| 100万円以上 | 大規模撮影やアニメーション、キャスティング | 撮影3日以上/複数拠点/5〜10分尺/プロキャスト・アニメーション | ブランディング重視の場合 |
料金が変わる主な要素
- 撮影日数:例:標準的な構成で数十万円規模の増減
- 撮影場所数:移動・設営コストが場所ごとに発生
- アニメーションの有無:モーショングラフィックスで数十万円規模の追加
- プロキャストの起用:ナレーション・出演者費用で大幅な増額
- 編集の複雑さ:カラーグレーディング※1、エフェクト処理等で工数増
※1 カラーグレーディング:映像の色調や明度を調整し、統一感のある映像に仕上げる作業
2-5. 【制作期間】ヒアリングから納品までの標準スケジュール
採用動画制作には、一般的に3〜6週間の期間が必要です。クリティカルパス※2を理解し、余裕を持ったスケジュール設計が重要です。
| フェーズ | 期間目安 | 主要作業 |
|---|---|---|
| 企画・構成 | 1〜2週間 | ヒアリング、企画書作成、承認 |
| 撮影準備 | 1週間 | スケジュール調整、出演者調整 |
| 撮影・編集 | 2〜3週間 | 撮影実施、編集作業、初稿提出 |
| 修正・納品 | 1週間 | 修正対応、最終確認、納品 |
※2 クリティカルパス:プロジェクト完了に最も時間を要する一連の作業工程
3. 制作前に必ず確認!計測設計と活用戦略
3-1. 効果測定のためのKPI設計
採用動画の効果を正確に測定するため、以下のKPIを事前に設定しましょう。
※KPIのレンジは自社運用実績の中央値および一般的な動画LP運用の参照値です。職種・媒体・クリエイティブ要件により乖離する場合があります。
主要KPI
- 再生完了率:動画を最後まで視聴した割合(目安:30%以上)
- CTR(クリック率):動画から応募ページへの誘導率(目安:3〜5%)
- 応募CVR:動画視聴者の応募率(目安:1〜3%)
- 1応募あたりコスト:制作費÷応募数で算出されるCPA
計測設計のポイント
- UTMパラメータ※3の設置で流入経路を特定
- コンバージョン計測の設定(Google Analytics等)
- サムネイルA/Bテストでクリック率最適化
- 配信チャネル別の効果測定
※3 UTMパラメータ:Webサイトへの流入経路を詳細に分析するためのURL識別子
3-2. 配信チャネル別の推奨仕様
動画を効果的に活用するため、配信先に応じた最適な仕様で制作しましょう。
| 配信チャネル | 推奨尺 | 推奨比率 | 推奨解像度 |
|---|---|---|---|
| 自社サイト | 3〜5分 | 16:9 | 1920×1080 |
| YouTube | 3〜10分 | 16:9 | 1920×1080 |
| 15秒〜1分 | 1:1 or 9:16 | 1080×1080 | |
| TikTok | 15〜60秒 | 9:16 | 1080×1920 |
| 求人媒体 | 1〜3分 | 16:9 | 1280×720 |
| 会社説明会 | 5〜15分 | 16:9 | 1920×1080 |
※プラットフォームの投稿仕様(推奨尺・比率・解像度・容量上限等)は随時更新されます。上表は2025年8月時点の目安であり、運用前に各公式ヘルプの最新情報をご確認ください。
3-3. 再編集前提の設計戦略
1本の動画から複数のクリップを量産する運用を前提とした設計が効果的です。
短尺クリップ化のメリット
- SNS投稿用の素材が豊富に作れる
- 異なるターゲットに向けた訴求が可能
- 配信チャネルごとの最適化が容易
設計のポイント
- 各セクションが独立して完結する構成
- 縦横比のバリエーションを考慮した撮影
- 字幕・テロップでアクセシビリティを担保
3-4. アクセシビリティの配慮
すべての求職者にとって視聴しやすい動画制作を心がけましょう。
必須要素
- 字幕の設置:音声が聞けない環境でも内容が理解できる
- 適切な文字サイズ:小さすぎない読みやすいテロップ
- 色のコントラスト:背景と文字の明度差を十分に確保
- 音声なしでも理解可能:視覚的な情報だけで要点が伝わる設計
4. 依頼から納品まで!採用動画制作の7ステップ
実際に採用動画サービスに依頼した場合の制作プロセスを、各ステップで「サービス会社が行うこと」と「依頼側(自社)が行うこと」に分けて解説します。
STEP1:ヒアリング・企画提案(期間:3〜5日、依頼側工数:5〜8時間)
サービス会社が行うこと
- 採用課題の詳細なヒアリング
- ターゲット層の分析
- 効果的な動画企画の提案
依頼側が行うこと
- 採用課題の整理と共有
- 予算や希望納期の伝達
- 社内関係者との調整
STEP2:構成・シナリオ作成(期間:5〜7日、依頼側工数:3〜5時間)
サービス会社が行うこと
- 動画の構成案作成
- 台本・絵コンテの制作
- 撮影計画の立案
依頼側が行うこと
- 構成案の確認・修正依頼
- 出演予定者への説明
- 必要な許可取得
STEP3:撮影準備(期間:3〜5日、依頼側工数:4〜6時間)
サービス会社が行うこと
- 撮影スケジュールの調整
- 機材の準備 – ロケーション下見
依頼側が行うこと
- 出演者のスケジュール調整
- 撮影場所の確保
- 社内向け撮影の周知
STEP4:撮影当日(期間:1〜3日、依頼側工数:6〜8時間/日)
サービス会社が行うこと
- プロクルーによる撮影
- 現場の進行管理
- 追加撮影の判断
依頼側が行うこと
- 出演者のフォロー
- 撮影内容の最終確認
- 現場サポート
STEP5:編集作業(期間:7〜10日、依頼側工数:1〜2時間)
サービス会社が行うこと
- 映像のカット編集
- テロップ・BGM挿入
- ナレーション収録
- カラーグレーディング
依頼側が行うこと
- 編集方針の確認
- 必要に応じた素材提供
- 進捗確認
STEP6:初稿確認・修正(期間:3〜5日、依頼側工数:2〜4時間)
サービス会社が行うこと
- 初稿版の提出
- 修正対応
- 最終チェック
依頼側が行うこと
- 社内での確認・承認
- 修正点の整理・伝達
- 最終確認
STEP7:納品・活用(期間:1〜2日、依頼側工数:2〜3時間)
サービス会社が行うこと
- 完成動画の納品
- 各種フォーマットでの書き出し
- 活用方法のアドバイス
依頼側が行うこと
- 動画の受け取り確認
- Webサイト・SNSでの公開
- 効果測定の実施
納品フォーマット例
- フルバージョン(16:9、1920×1080)
- SNS用短尺版(1:1、9:16)
- 字幕付きバージョン
- サムネイル画像(複数パターン)
5. 失敗を防ぐ!制作時のチェックポイント
5-1. 法務・権利処理の確認事項
採用動画制作では、法的なリスクを回避するため以下の点を必ず確認しましょう。
必須の法務対応
- 出演同意書:社員の肖像権使用について書面で合意
- 著作権・音源ライセンス:BGMや効果音の使用権確保
- ロケ許可:外部撮影時の施設利用許可
- 機密情報の写り込み:社内資料や画面の映り込み防止
- 競合他社との差別化:誇大表現や比較表現の適切性確認
5-2. よくある失敗パターンとその回避方法
- 失敗パターン1:採用要件と動画内容の不一致
- 回避方法:制作前に採用ペルソナと動画のメッセージを突合確認
- 失敗パターン2:現場負荷の過小見積もり
- 回避方法:撮影当日の社員稼働時間を事前に正確に見積もり
- 失敗パターン3:誇大表現によるミスマッチ
- 回避方法:実際の働き方と乖離のない、リアルな情報を発信
- 失敗パターン4:継続活用の計画不足
- 回避方法:制作と並行して配信戦略と効果測定方法を策定
6. まとめ
本記事では、採用動画サービスの基礎知識から制作の流れまでを詳しく解説しました。
採用動画サービスの重要なポイント
- 専門性の高さ:単なる動画制作ではなく、採用課題解決のパートナー
- 多面的なメリット:応募数増加、ミスマッチ防止、ブランディング向上など
- 明確なプロセス:7つのステップで進む分かりやすい制作フロー
ブランディングテクノロジー株式会社では、これまで多くの企業様の採用動画制作をサポートし、採用成果の向上に貢献してきました。採用動画は一度制作すれば、長期間にわたって活用できる貴重な資産となります。
次のアクションとして:
- 無料相談の活用:まずは自社の採用課題を整理し、どのような動画が必要か専門家に相談
- 制作実績の確認:気になるサービス会社の過去事例をチェックし、自社に合ったパートナーを選定
- 要件の明確化:予算・目的・ターゲットを明確にして、具体的な制作相談を開始
ブランディングテクノロジー株式会社では、採用動画制作から活用戦略まで、トータルでサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。
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