新卒採用で「選ばれる企業」になるための5ステップ|採用ブランディング・採用サイト・SNS活用のポイント
ここ数年、採用担当者の間で「新卒採用の母集団が集まりにくい」という声を多く耳にします。実際、2025年卒の有効求人倍率は1.74倍と高止まりしており、特にIT・製造・建設業界では2倍を超えるケースも報告されています。
これは単に「学生の数が足りない」だけでなく、企業が学生に「選ばれる」時代に突入したことを意味します。
従来のように「求人サイトに掲載すれば応募が集まる」時代は終わり、今の学生は以下のような視点で企業を選びます。
- 企業のビジョンや価値観に共感できるか
- 社員がどんな雰囲気で働いているか
- 成長できる環境や研修制度が整っているか
- 採用サイトやSNSでリアルな企業情報が見えるか
このような背景の中で、企業が新卒採用で成果を出すためには、「求人広告に頼る」だけでは不十分です。採用ブランディング・採用サイト・SNS活用・複数チャネルの組み合わせ・データ分析を通じて、「選ばれる企業」になるための戦略が必要です。
目次
ステップ1:ターゲット設計
新卒採用において最初にやるべきことは、採用ペルソナの明確化です。
「誰を採用したいのか」が定まっていなければ、採用チャネルやメッセージの打ち出し方がぼやけてしまい、結果的に応募者の質が下がります。
1-1. 採用ペルソナ設計
具体的には、以下の観点で「理想の学生像」を可視化します。
- 学部・専攻:理系・文系、専門領域
- スキル・適性:プログラミングスキル、営業適性、課題解決力
- 価値観・志向性:成長志向、安定志向、ベンチャーマインド
- 行動特性:SNSの利用傾向、インターン参加意欲、説明会参加のタイミング
ポイント
たとえば、理系学生の場合は研究室ネットワークや専門媒体、文系学生の場合はマイナビ・リクナビなど大手媒体との親和性が高い傾向があります。さらに、近年はダイレクトリクルーティング(OfferBoxなど)で個別接点を持つ企業が増えており、ペルソナに応じたチャネル選定が採用成功のカギを握ります。
ステップ2:採用ブランディング
新卒採用では、「企業を知るきっかけ」から「応募・内定承諾」までの流れにおいて、学生が共感できる要素をいかに提示できるかが重要です。特に、給与や福利厚生だけでなく「企業のビジョン・社風・成長環境」への共感が、志望度を大きく左右します。
2-1. 採用ブランディングが重要な理由
- 情報収集行動の変化
学生は求人票だけでなく、企業のSNS、口コミ、社員インタビューを徹底的に調べています。 - 候補者の比較基準の変化
「給与・勤務地」だけでなく、「働きやすさ」「社員の人柄」「キャリアパス」といったソフト面の要素が企業選びの決め手になっています。 - 内定辞退率の低下につながる
企業の魅力を明確に発信することで、「他社と迷った末に辞退」というケースを減らせます。
2-2. 採用ブランディングの実践ポイント
①ミッション・ビジョン・バリューの明文化
新卒採用では、学生が「なぜこの企業で働くのか」を理解できることが非常に重要です。
単なるスローガンやキャッチコピーだけでは、学生の心には響きません。企業の存在意義や将来像を、具体的な事例や取り組みを通して示す必要があります。
- 例:
- 「社会や業界に対する具体的な貢献事例」
- 「入社1年目から挑戦できる環境」
- 「社員が自ら提案し、成長していく社風」
ポイント
学生は「共感できる価値観」と「自分が成長できる環境」に強い魅力を感じます。
そのため、企業理念を単に言葉で示すだけでなく、動画・記事・社員インタビューなどで「実際の活動」と結びつけて発信することで、志望度が大きく高まります。
ブランディングテクノロジーの顧客事例
https://www.hinago.tokyo/recruit/company/#company01
②採用メッセージ・コンセプトの策定
採用メッセージは、企業が学生に向けて発信する「約束」であり、「この企業に入社するとどう成長できるのか」を明確に伝える必要があります。単なるキャッチコピーではなく、学生が未来をイメージできるようにすることが鍵です。
- 採用コンセプト例
1.「未来を動かす第一歩を、ここで」
2.「成長を支える環境が、あなたの挑戦を待っている」
3.「チームで学び、挑戦し、共に未来を創る」 - 採用メッセージに含める要素
1.ターゲット像:主体的に学び、成長したい学生
2.育成環境:研修・メンター制度・OJTなど充実したサポート
3.働く魅力:風通しの良い職場・挑戦できる文化
4.未来像:入社後に描けるキャリアパスや成長ストーリー - IT企業なら「最先端の技術に触れながら、1年目から挑戦できる環境を提供」
- 製造業なら「ものづくりの現場で、一流のスキルを基礎から育てる」
- 特徴
- 活用のポイント
ポイント
採用メッセージは「学生にとっての成長実感」と「企業のビジョン」を結びつけることが重要です。
例えば:
このように、業界や企業の特性に応じた具体的な言葉で示すことで、学生の共感を獲得しやすくなります。
ブランディングテクノロジーの顧客事例
https://www.gofukukai.jp/recruit/
ステップ3:採用チャネルの最適化
新卒採用においては、求人広告だけに頼るのではなく、複数のチャネルを戦略的に組み合わせることが不可欠です。学生との接点は多様化しており、それぞれのチャネルが持つ特性を理解して活用することで、応募数・質の両方を高めることができます。
3-1. 就職ナビサイト(マイナビ・リクナビ)
補足
近年は「早期エントリー獲得」のため、2〜3月の解禁前に「プレサイト」で情報発信を強化する企業も増加しています。
3-2. ダイレクトリクルーティング(OfferBox・キミスカ)
- 特徴
- 学生データベースに直接スカウトを送れる仕組み
- 企業側からアプローチできるため、母集団の量だけでなく「質」も確保しやすい
- 個別カスタマイズしたスカウト文面で返信率を向上
- 学生のプロフィール(志向・スキル)を分析し、ターゲットを絞り込む
- 「早期接触」で他社よりも先に学生との関係性を構築
3-3. 大学連携・キャリアセンター
- 特徴
- 大学のキャリアセンター経由で求人票を掲示
- 学内合同企業説明会やキャリアセミナーに参加できる
- 活用のポイント
- 地域や専門分野に特化した大学との関係構築
- OB・OG訪問を促進し、学生にリアルな情報を届ける
- 小規模セミナーで双方向のコミュニケーションを実現
補足
地方大学との連携強化は、都市部企業にとって新たな採用母集団の確保につながります。
3-4. リファラル採用(内定者・社員紹介)
- 特徴
- 内定者や若手社員のネットワークを活用した紹介採用
- 紹介者と候補者のカルチャーフィットが高く、定着率も良好
- 活用のポイント
- 内定者に対する「友人紹介インセンティブ制度」の導入
- 社員によるSNSでの企業発信を促進
- 紹介をしやすくするための社内向けマニュアル整備
3-5. チャネル戦略の最適化
複数のチャネルを組み合わせることで、リスク分散と母集団形成の最大化が可能です。
| チャネル | 特徴 | コスト | 効果的な職種 |
|---|---|---|---|
| 就職ナビサイト | 大規模母集団形成 | 中 | 全職種 |
| ダイレクトリクルート | 質の高い学生に直接アプローチ | 中〜高 | 技術職・総合職 |
| 大学連携 | 地域・専門分野に強い | 低 | 専門職・研究職 |
| リファラル採用 | 高い定着率 | 低 | 全職種(特にカルチャーフィット重視) |
ステップ4:採用サイト・SNS活用
新卒採用における採用サイトとSNSは、学生が「応募を決断する最後の情報源」です。マイナビ・リクナビなどで企業を知った学生のほとんどが、最終的に採用サイトを訪問して応募するかを判断します。また、SNSは「日常的な接触」を通じて企業への親近感を高めるため、内定承諾率にも大きな影響を与えます。
4-1. 採用サイトの役割
採用サイトは「応募を後押しする決定打」となる場所です。以下の要素を充実させることで、応募率・内定承諾率を高めることができます。
①必須コンテンツ
- 社員インタビュー
- 新卒1〜3年目のリアルな声
- 入社の決め手、研修体験談、成長エピソード
ブランディングテクノロジーの顧客事例
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- キャリアパス紹介
- 入社1年目〜5年目のモデルケース
- 昇進事例やキャリアチェンジ事例
ブランディングテクノロジーの顧客事例
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- 1日のスケジュール
- 新入社員の業務の流れを可視化
- 仕事と休憩、研修や交流イベントの様子
テクノロジーの顧客事例
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- FAQ(よくある質問)
- 選考フロー、研修内容、福利厚生、配属に関する疑問を解消
- 企業カルチャー動画
- 社内イベントやオフィスツアー
- 社員座談会やトップメッセージ
ポイント
学生は「入社後のイメージ」が湧かないと応募をためらいます。写真や動画を積極的に活用して、リアルな働く姿を見せることが効果的です。
ブランディングテクノロジーの顧客事例
②UX(ユーザー体験)の最適化
- スマホ最適化
- 学生の7〜8割はスマホから採用サイトを閲覧
- レスポンシブデザイン対応・高速表示が必須
- 応募フォームの簡略化
- 氏名・メール・履歴書添付のみで応募可能に
- 3分以内で応募完了できるUI設計
- Google for Jobs対応
- 構造化データ(schema.org)を設定
- Google検索結果の「求人枠」に表示されることで流入増加
③コンテンツSEO
- 採用ブログを設置し、検索経由で学生を集客
- 例:
■「新卒1年目のリアルな一日」
■「内定者インタビュー」
■「研修制度の全貌」
●ロングテールキーワードで企業認知を拡大
●採用サイトを「学生が企業研究できる場所」にする
- 例:
4-2. SNS活用(Instagram・TikTok)
- 発信内容
- 社員の1日ストーリー
- 社内イベント・懇親会の写真
- Q&A投稿(「よくある就活質問」への回答)
- 運用ポイント
- ハッシュタグ(#24卒採用 #企業文化 #社員インタビュー)
- フィード投稿は企業カルチャー、ストーリーは日常発信で使い分け
TikTok
- 発信内容
- 30〜60秒で見られる「仕事紹介動画」
- 社員の就活体験談ショートインタビュー
- 社内イベントやオフィスツアー
- 運用ポイント
- ユーモアのある動画で「親しみやすさ」を演出
- トレンド音源を活用し、自然に拡散されるコンテンツを投稿
LinkedIn(補足)
- 外資系やハイクラス学生向けに有効
- インターンシップや経営層メッセージを発信
- グローバル採用に対応している企業では重要なチャネル
4-3. 採用サイトとSNSの連動
- SNSで興味喚起 → 採用サイトで詳細情報 → 説明会・応募
- 採用サイトにSNSフィードを埋め込み、情報を一元化
- 動画コンテンツをサイトとSNSで共用し、制作コストを削減
ポイント
SNSは「認知」、採用サイトは「応募決断」の役割を担うため、一貫したメッセージ設計が必要です。
ステップ5:データ分析と改善
新卒採用では、「説明会の集客はできたが、面接に進む学生が少ない」「内定を出しても辞退される」といった課題がよく発生します。これらを解決するには、採用プロセス全体を数値で可視化し、ボトルネックを特定して改善するデータドリブンなアプローチが不可欠です。
5-1. データ分析の目的
- 採用活動の現状を可視化し、課題を明確化する
- 採用チャネルごとの費用対効果(ROI)を把握する
- 内定承諾率や入社後定着率を改善する
- データに基づく「再現性のある採用モデル」を構築する
ポイント
勘や経験だけで判断する採用は、再現性に乏しくなりがちです。データ分析を通じて、どの施策に注力すべきかを明確にすることができます。
5-2. 新卒採用における主要KPI
| KPI項目 | 内容 | 改善アクション例 |
|---|---|---|
| エントリー数 | 説明会や媒体経由での応募者数 | 採用サイト改善、SNS広告運用 |
| 説明会参加率 | エントリーから説明会参加に進んだ割合 | リマインドメール、カジュアル説明会導入 |
| 面接通過率 | 書類選考・面接通過率 | スクリーニング基準見直し、面接官トレーニング |
| 内定承諾率 | 内定出しに対して承諾した割合 | 候補者フォロー、個別面談強化 |
| 入社定着率 | 入社後3か月・6か月の定着率 | 内定者フォロー、オンボーディングプログラム |
補足
特に「説明会参加率」と「内定承諾率」は、学生のエンゲージメントを測る重要指標です。これらを改善することで、採用全体の効率が飛躍的に向上します。
5-3. データ活用ツール
①ATS(採用管理システム)
- 候補者情報を一元管理
- チャネル別の応募数・進捗を自動集計
- レポート機能でKPIを可視化
代表例:HERP Hire、ジョブカン採用管理、HRMOS採用管理
②アクセス解析ツール
- Google Analyticsで採用サイトの流入・コンバージョンを計測
- ヒートマップで応募フォーム離脱ポイントを特定
③BIツール
- Tableau、Lookerで採用データを可視化
- 経営層へのレポーティング用ダッシュボードを作成
5-4. 改善プロセス(PDCAサイクル)
- Plan(計画)
- KPI設定(例:説明会参加率を3か月で15%改善)
- Do(実行)
- 採用チャネルの調整、SNS強化、応募フォーム改善
- Check(評価)
- ATSデータで進捗を確認、課題を特定
- Action(改善)
- 成果が高い施策を強化、低効果施策を見直し
- 勘に頼らない再現性の高い採用戦略を構築できる
- 採用コストを最適化できる
- 経営層への報告・説得力が増す
- 長期的に採用力が強化される
- ターゲット設計で「誰を採用するか」を明確化
- 採用ブランディングで「選ばれる企業」になる
- 採用チャネルを最適化し、複数接点で学生にリーチ
- 採用サイト・SNSで企業のリアルを発信
- データ分析で採用プロセスを継続改善
ポイント
新卒採用は年間サイクルがあるため、「期ごと」だけでなく「月次」でのデータ確認が有効です。
5-5. データドリブン採用のメリット
まとめ:新卒採用は「未来への投資」
新卒採用は単なる「学生の採用活動」ではなく、企業の将来を形づくる投資です。
これらを実践することで、採用は「一時的な人材確保」ではなく「企業成長のための基盤」へと進化します。
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