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【広告主向け】デジタル広告代理店コンペの開催方法|候補会社の探し方とRFPテンプレ・評価表を解説

【広告主向け】デジタル広告代理店コンペの開催方法|候補会社の探し方とRFPテンプレ・評価表を解説_ブランディングテクノロジー株式会社

デジタル広告代理店のコンペで決めるべき前提

広告代理店コンペの成否は、開始前に「何のために代理店を変えるのか」が言語化できているかで大きく変わります。例えば「CPAを下げたい」「商談数を増やしたい」「認知を取りたい」のように目的は似て見えても、提案の切り口は異なります。目的が曖昧だと、各社が”得意なこと”を提案してきて比較が難しくなります。

コンペの目的を成果指標で言語化する

目的を定義するときは、KGI(最終目標)とKPI(途中指標)を最低限そろえます。リスティング広告であればCV数・CPA・ROAS・LTVなどが軸になりますし、ディスプレイ広告やSNS広告では、指名検索数の増加、動画視聴完了率、リーチ単価、サイト来訪後の回遊なども重要になります。

また、現実的に達成可能な目標設定も欠かせません。過去データがない状態で無理な目標を置くと、提案が根拠の薄いものになりやすいです。過去3〜6か月の実績や現状課題を前提に、改善ロードマップの質で比較できる状態を作ることが重要です。

目的と目標の整理項目
  • 目的の優先順位を決める(獲得重視か、認知重視か、両立か)
  • KGIを一つに絞る(例:商談数、売上、会員獲得など)
  • KPIを媒体別に分ける(例:検索はCPA、SNSはCVRとCTRなど)
  • 成果の判定期間を決める(例:30日で健全化、90日で改善幅)
  • 「やらないこと」も決める(例:今回はYouTubeは対象外など)

この整理ができると、提案に対して「それは目的に合っているか」「そのKPIは妥当か」を軸に議論できるようになります。結果として、社内稟議や合意形成も進めやすくなります。

対象範囲を施策と媒体で切り分ける

デジタル広告代理店の支援範囲は会社によって差が大きく、ここを曖昧にすると見積もりも提案も比較できません。まずは「今回のコンペで決めたい範囲」を、施策(何をやるか)と媒体(どこで配信するか)で切り分けます。

例えば、広告運用だけを依頼するのか、LP改善やサイト制作まで依頼するのかで、必要な体制が変わります。SNS広告のクリエイティブ(静止画・動画)制作を含めるなら、制作ディレクションと検証設計(どの仮説を、どの指標で、いつ判断するか)まで提案できる会社が有利になります。

媒体についても、Google広告中心なのか、Instagram広告などSNS中心なのかで、運用ノウハウは変わります。さらにBtoBかBtoCか、単価帯、商材理解が必要な業界かによっても勝ち筋は変わるため、「今回はどこまでを同条件として比較するか」を先に線引きしておくのが実務的です。

社内体制と意思決定プロセスを先に固める

コンペが長引く原因の多くは、社内の合意形成が後回しになっていることです。広告主側で「誰が最終決裁者か」「どの観点を優先するか」「予算の上限はどこか」を決めてから動くと、途中で評価がブレません。

特にデジタル広告は、運用だけでなく計測・クリエイティブ・LP・CRMなど関係部署が広がりやすい領域です。コンペ開始前に関係者を洗い出し、情報開示の範囲を決めておくと、提案の精度が上がります。

広告代理店のコンペは「選ぶ場」ではなく「成果が出る運用条件を社内外で揃える場」と捉えると、RFPと評価基準の精度が一段と上がるでしょう。

候補となる広告代理店のリストアップ方法

候補となる広告代理店を集める段階では、「量を出す方法」と「質を担保する方法」を組み合わせるのが効率的です。まずは検索や生成AIで幅広く洗い出し、比較サイトで候補を追加し、最後に実績・認定・発信内容・紹介情報で精査すると、コンペで比較できる3〜5社に絞り込みやすくなります。

候補会社の探し方

リストアップ方法 具体的な方法 特徴 活用ポイント
検索エンジン・生成AI 業種×施策で検索、ChatGPT等で洗い出し 王道で量を出しやすい まず母集団を作るとき
比較サイト・マッチングサービス 代理店比較サイト、マッチングサービス 効率重視で候補を増やせる 社内リソースが限られるとき
実績・受賞歴・認定 媒体公式のパートナー一覧など 一定の体制・運用力が担保されやすい 最終候補の質を上げたいとき
コンテンツ・発信情報 オウンドメディア、ブログ、セミナー登壇 思想・相性を見極めやすい 企業の姿勢や担当者を見たいとき
人づて・紹介 取引先・同業者紹介、元代理店出身者に聞く 失敗しにくいが数は出にくい リアルな口コミを知りたいとき
検索エンジン・生成AIを使った探し方
業種×施策キーワードで検索(王道・量を出せる)
  • 「デジタルマーケティング コンサルティング 代理店」
  • 「◯◯業界 デジタルマーケティング 代理店」
  • 「リスティング広告 代理店 渋谷」
  • プレスリリースや導入事例で「マーケティング支援」「広告運用支援」表記を探す

「実績」「事例」「支援」などを加えると、提案・運用の経験値が高い会社がヒットしやすくなります。特に、施策名や広告媒体名のかけあわせで検索すると、提供サービスページやサービスリリースのプレスリリース記事がヒットしたりするため情報収集の幅が広がります。

ChatGPT・生成AIでの洗い出し(粗く出して公式サイトで精査する)

▼プロンプト例
「中堅企業向けのブランディングや広告運用に強い日本の広告代理店を、特徴付きで10社出して」

まず粗く候補を出す→公式サイトで「支援範囲(リスティング広告/ディスプレイ広告/SNS広告/SEO/サイト制作)」「事例の具体性」「体制」などを確認、という流れにすると効率的です。

比較サイト・マッチングサービスを使う
参考サイト例(効率重視・当社掲載の企業ページの例)

コンペ慣れしている代理店が多い可能性があります。案件を応募するマッチングサービスサイトの場合、要件をゆるく書くと候補が増えすぎて比較が難しくなるため、最初から「対象媒体(Google広告、Instagram広告等)」「想定予算帯」「KPI(CPA、ROAS等)」「支援範囲(運用のみ/制作込み)」を厳しめに書くと質が上がります。

実績・受賞歴・認定から探す
媒体公式のパートナー一覧の例(質重視)

一定の運用力・体制は担保されやすい一方で、貴社の課題に合うかは別問題です。認定の有無は「候補に入れる入口」として使い、最終的にはRFPと評価基準で、運用プロセスや計測設計の具体性まで比較するのが安全です。

コンテンツ・発信から探す
オウンドメディア・ブログが強い代理店(思想・相性重視)
  • デジタルマーケティング関連のTipsやノウハウ記事を発信している
  • 自社の考え方やスタンスを発信している
  • 支援顧客の実態や事例がわかる

提案前に「考え方」や「改善の進め方」が分かるため、企業の姿勢や実際の担当者を確認したい場合に向いています。最新トレンド情報や具体的な顧客事例は、オウンドメディアではなくメルマガなど外部から確認できない場所で公開している可能性もあるため、気になる企業がいれば一度問い合わせてみてもよいでしょう。

セミナー・ウェビナー登壇企業(説明力・提案力の事前確認)
  • 広告・マーケ系セミナーの登壇企業
  • 共催ウェビナーの登壇社

説明力・論理構成・質疑応答の姿勢は、コンペのプレゼンだけでなく運用開始後のコミュニケーション品質にも直結します。登壇資料の粒度や、質問への回答の具体性を見ておくと相性の判断材料になります。

人づて・紹介から探す
取引先・同業者からの紹介(リアルな声がきける)
  • 制作会社
  • システム会社
  • PR会社

実際に広告代理店と取引実績がある取引先や同業者がいる場合、リアルな評価が聞ける点が強みです。特に、自社と同じ業界や業態の支援をしている広告代理店がいる場合、商圏など競合性に問題がなければ一度紹介できる先がないか聞いてみてもよいかもしれません。

元広告代理店出身者に聞く(業界内評判を把握しやすい)
  • 社内メンバー
  • LinkedIn

業界内での評判や、得意不得意(例:Google広告は強いがSNS広告は弱い、制作は強いが運用が弱い等)を把握しやすく、候補の精査に役立ちます。紹介と同様に数は出にくいものの、ミスマッチを減らす方法として有効です。

デジタル広告代理店のコンペの進め方を4フェーズで整理

1.準備フェーズで現状整理と候補会社の当たりを付ける

最初に行うべきは、現状の数値と運用状況の棚卸しです。媒体ごとの配信額、CV数、CPA、主要キャンペーン構成、ターゲティング、クリエイティブ運用状況、LP・サイトの課題、GA4やGTMの設定状況などを整理します。ここが曖昧だと、どの代理店も一般論になり、提案の差が出にくくなります。

次に、前章で記載したような候補となる広告代理店を集めます。候補は多いほど良いわけではなく、比較が成立する範囲に絞るのが実務的です。一般的には3〜5社程度が運営しやすく、提案の質も担保しやすいです。

この段階で、RFI(情報提供依頼)を軽く出すのも有効です。「得意媒体(Google広告、Instagram広告等)」「運用体制」「レポート頻度」「最低契約期間」「手数料形態」などを事前に揃えておくと、RFP配布後のミスマッチを減らせます。

コンペ運営の全体タスク一覧
  • 現状データの棚卸し(媒体別・施策別・期間別)
  • 候補会社のリストアップと事前ヒアリング(RFI)
  • NDA締結と情報開示範囲の決定
  • RFP作成と評価基準の配点決定
  • 質疑応答の設計と提出物フォーマットの指定
  • プレゼン・面談の実施と採点
  • 決定後の契約・移管・キックオフ

上記を先に「やること」として固定すると、社内での役割分担がしやすくなり、代理店側にも同条件で準備してもらえるため、比較の質が上がります。

2.提案フェーズでRFP配布と質疑応答を設計する

RFP(提案依頼書)を配布する際は、各社の条件を揃えることが最重要です。提出期限、提案フォーマット、質疑応答の期限、最終プレゼン日程などを明確にし、途中で条件が変わらないようにします。デジタル広告のコンペでは、質問が出やすい項目(計測、コンバージョン定義、媒体アカウントの管理方針、制作物の支給可否など)を、あらかじめ「回答する」「回答できない」を決めておくと進行がスムーズです。

また、提案の比較可能性を高めるために、RFP内で「必須提案」と「任意提案」を分けるのが現実的です。必須は「現状分析→課題仮説→90日プラン→運用体制→見積」、任意は「LP改善案」「SEOの初期診断」「クリエイティブ検証案」などにすると、提案のボリューム差があっても評価しやすくなります。

提案書提出前後で、1回だけオンライン質疑の場を設けると提案の精度が上がります。特にBtoBで商談化がゴールの場合、CVの定義やオフライン計測(SFA/CRM連携)の状況が提案を左右するため、ここを揃える意味は大きいです。

3.選定フェーズで評価と面談を分けて判断精度を上げる

評価は「提案書」と「面談(プレゼン)」を分けて採点するとブレにくくなります。提案書では、戦略の妥当性、KPI設計、改善ロードマップ、見積の根拠など、文書で確認できる項目を中心に見ます。面談では、運用現場の責任者が出ているか、質問に対する回答が具体的か、運用の意思決定がどのように行われるか、といった”実行のリアリティ”を確認します。

デジタル広告代理店のコンペで起こりがちなのが、プレゼンが上手い会社が勝つ現象です。これを防ぐには、評価シートを事前に共有し、配点も決めたうえで進めます。さらに、面談では「実務担当者が同席すること」を条件にすると、運用の解像度が見えやすくなります。

費用の扱いも注意が必要です。手数料率や固定費は比較しやすい一方で、成果に効くのは体制や改善力であることが多いです。評価基準の中に、体制・改善プロセス・計測設計といった項目を明確に入れておくことが重要です。

4.移行フェーズでアカウントとデータの引き継ぎを失敗させない

選定後は、契約と移管(引き継ぎ)でトラブルが起きやすいフェーズです。デジタル広告では特に、媒体アカウントの権限、コンバージョン設定、タグ、クリエイティブの入稿資産、データの閲覧範囲など、引き継ぐ対象が多岐にわたります。

最初に決めるべきは「媒体アカウントを誰が保有するか」です。基本は広告主側が保有し、代理店は権限付与で運用する形にしておくと、将来的な乗り換えがしやすく、データ資産も守れます。既存代理店が保有している場合は、移管計画と期限、移管できない場合の代替(新規アカウント立ち上げ時の学習期間の扱い)をRFP段階から確認しておくと安全です。

移管後はキックオフを実施し、最初の30日で「計測の健全性」「改善サイクル」「優先施策」を固めます。ここで合意した運用ルールが、リスティング広告やディスプレイ広告、SNS広告のパフォーマンスを安定させる土台になります。

補足:ノウハウ蓄積のための広告運用データ管理方法

通常、代理店に広告アカウントを開設させると代理店を切り替える際にデータの移管ができないのがネックですが、当社の場合はお客様の広告アカウントでの出稿が可能です。代理店選定の際は、事前にアカウントの管理方法を確認してみることをおすすめします。

代理店アカウントだとデータ移管ができない_【広告主向け】デジタル広告代理店コンペの開催方法|候補会社の探し方とRFPテンプレ・評価表を解説

RFPテンプレートで提案の比較可能性をつくる

RFPに必ず入れるべき項目

RFPは、代理店の提案力を引き出すための”設計図”です。情報が少なすぎると一般論の提案になり、情報が多すぎると作成負荷が上がって良い会社ほど辞退することもあります。まずは「比較に必要な情報」を優先して整理するのがポイントです。

最低限入れたいのは、目的(KGI/KPI)、現状、対象範囲(媒体・施策)、予算感、スケジュール、評価基準、提出物、契約条件の前提です。さらにデジタルマーケティングでは、計測環境(GA4、GTM、広告タグ、コンバージョン定義、同意管理の有無)を記載できると、提案の現実味が一段上がります。

以下は、そのまま転記して使えるRFPテンプレの骨子です(貴社の状況に合わせて削る運用でも問題ありません)。

セクション 記載内容の例
1. 目的と背景 広告代理店コンペ実施の理由、現状課題、達成したい状態
2. 目標 KGI(売上/商談/会員獲得など)、KPI(CV/CPA/ROAS/CVR等)、優先順位
3. 対象範囲 リスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告、動画、SEO、サイト制作、LP改善など。媒体はGoogle広告、Yahoo!広告、Instagram広告等
4. 現状データ 過去3〜6か月の媒体別費用、CV、CPA、主要施策、LP数、クリエイティブ数など(開示可能な範囲で)
5. 計測環境 GA4/GTMの有無、CV定義、オフラインCV、SFA/CRM連携状況、同意管理/Consent Mode等
6. 依頼内容 戦略立案、運用代行、レポート、定例会、改善提案、制作範囲(バナー/動画/LP)
7. 体制要件 専任/兼任、窓口、実務担当の役割、緊急時の対応、コミュニケーション手段
8. 提案依頼事項 現状分析、課題仮説、90日/半年プラン、媒体別の運用方針、クリエイティブ検証、見積根拠
9. スケジュール 質疑期限、提出期限、プレゼン日、決定日、開始希望日
10. 評価基準 配点(例:戦略30・体制25・計測20・実績15・価格10)
11. 契約前提 契約期間、解約条件、手数料形態、成果報酬の可否、アカウント保有方針
12. 提出形式 PDF枚数目安、フォーマット、見積書の内訳粒度、担当者プロフィール
RFP記載内容のチェックリスト
  • 今回の対象施策が明確(広告運用のみか、SEOやサイト制作までか)
  • 対象媒体が明確(Google広告、Yahoo!広告、Instagram広告等)
  • KPIの定義が明確(CVとは何か、重視指標は何か)
  • 計測の前提が明確(GA4/GTM、オフラインCV、同意管理)
  • 提出物が揃っている(提案書、見積、体制図、運用イメージ)
  • スケジュールが揃っている(質疑、提出、プレゼン、決定、開始)
  • 契約前提が明確(最低契約期間、解約、アカウント保有、権限)

このチェックリストを満たすだけでも、提案のブレが減り、比較がしやすくなります。逆に満たせない項目がある場合は、その項目を評価から外すか、判断の範囲を狭めると失敗しにくくなります。

施策別に追記したいポイント

デジタル広告代理店の支援範囲が広い場合、施策ごとに「どこまで提案してほしいか」を追記すると比較が簡単になります。リスティング広告は検索語句・広告文・LPの三点セットで成果が決まりやすいため、キーワード設計、除外設計、広告文テスト、LP改善連携まで提案範囲に含めるかを明確にします。

ディスプレイ広告やSNS広告では、ターゲティングだけでなくクリエイティブ検証が成果を左右します。静止画・動画の制作体制、制作スピード、ABテストの設計、勝ちクリエイティブの判断基準(CTRだけでなくCVRやLTVも見るか)などを確認したい項目として入れておくと、提案の質が上がります。

SEOやサイト制作を含める場合は、広告とSEOの役割分担、サイト改修の優先順位付け、技術要件(CMS、表示速度等)、制作後の運用(更新体制、保守、改善提案)まで書いておくと、後工程の認識違いを防げます。最初からすべてを決め切る必要はありませんが、線引きだけはRFPに明文化しておくと安全です。

媒体アカウントとデータの前提条件を先に固定する

RFPで必ず明文化したいのが、媒体アカウントの取り扱いとデータの帰属です。Google広告やYahoo!広告、Meta(Instagram広告等)の広告アカウントを、広告主保有にするのか、代理店保有にするのかで、乗り換え時の難易度が変わります。原則として広告主保有+権限付与が推奨です。

加えて、GA4やGTM、コンバージョンの定義、オフライン計測などは、代理店が変わると設定が揺れやすい領域です。RFP段階で現在のCVの定義を明記しておくと、現実的な提案が出やすくなります。

デジタル広告のコンペは、提案内容よりも先に「比較の土俵(媒体・計測・権限・範囲)」を揃えた時点で半分勝ちです。

評価基準で提案の上手さではなく成果の出やすさを選ぶ

評価基準は成果の再現性に寄せて設計する

評価基準を作るとき、つい「過去実績」や「価格」に寄りがちですが、デジタル広告は運用担当・改善プロセス・計測の健全性が成果を大きく左右します。したがって、評価軸は「成果が出る確率が高い状態を作れるか」に寄せるのが合理的です。

例えば、戦略の妥当性(市場/競合/ターゲット理解、媒体選定、KPI設計)に加え、運用体制(誰がどの頻度で何を判断するか)、改善プロセス(仮説→検証→学習→横展開の仕組み)、計測設計(GA4/GTM、同意管理、オフライン連携)を評価項目に入れると、見栄えの良い提案に引っ張られにくくなります。

また、SNS広告やディスプレイ広告を含む場合は、クリエイティブの検証力も重要です。制作の有無だけでなく、勝ちパターンを見つけるまでの回し方(制作→入稿→学習→差し替えのスピード、検証単位の設計)を具体的に語れるかが差になります。

評価シート例と配点の考え方

評価は「総合点」だけでなく、重み付け(配点)で意思を表明することが大切です。短期で成果改善が必要なら改善スピードと体制に重みを置き、長期でブランドも含めて強くしたいなら戦略とクリエイティブに重みを置く、といった設計ができます。以下は一例です。貴社の状況に合わせてご調整ください。

評価シート例と配点の配分例
評価項目 具体的な見方 配点例
戦略・設計 目的理解、媒体選定、KPI設計、90日プランの妥当性 30
運用体制 専任度、実務担当の同席、改善頻度、レポート/定例の設計 25
計測・データ GA4/GTM、CV定義、オフライン計測、アカウント権限の考え方 20
実績・専門性 同業/類似商材の実績、提案の根拠、知見の言語化 15
コスト 手数料/固定費の透明性、見積根拠、追加費用の条件 10

配点のコツは、代理店側が”工数をかける領域”に点数を置くことです。価格に点を置きすぎると、提案が保守的になったり、運用工数が削られたりして、結果としてCPAが悪化するケースもあります。逆に体制や計測に点を置くと、運用の質に投資する会社が上位に来やすくなります。

面談で確認したい質問を用意する

面談では、提案書だけでは見えない「実行の現実味」を確認します。質問は、抽象論ではなく、日々の運用行動が想像できるものが有効です。回答が具体的であるほど、運用の再現性は高い傾向があります。

この質問に対して、体制(誰が)・頻度(いつ)・アウトプット(何を)で答えられる会社ほど、実務が回る可能性が高いと判断しやすくなります。

面談で聞きたい質問リストの例
  • 週次で見る指標と意思決定のルールは何か
  • リスティング広告の改善頻度はどれくらいか(検索語句、広告文、入札など)
  • ディスプレイ広告やSNS広告で、クリエイティブ検証をどう設計するか
  • レポートの粒度と、改善提案のフォーマットはどうなるか
  • GA4/GTMの管理責任者は誰で、計測不備が出たときの対応はどうするか
  • 媒体アカウント保有と権限付与の考え方はどうするか
  • 立ち上げ30日で必ず実施するタスクは何か

広告代理店コンペでよくある失敗と注意点

情報開示が不足して的外れな提案になる

コンペで「それっぽい提案」ばかりが集まる原因の多くは、RFP内の情報が不足していることです。特に、商材の強み、ターゲット、価格、営業プロセス、CV後の成約率など、成果に直結する情報が出せないと、代理店は一般論でしか提案できません。

もちろん、機密情報を無制限に開示する必要はありません。重要なのは「意思決定に必要な最低限の情報」を決めて、NDA(秘密保持契約)のうえで候補会社に同条件で提供することです。例えば売上額が出せない場合でも、CV→商談→受注の率をレンジで共有できれば、BtoBの広告設計は現実味が増します。

情報開示を絞る場合は、代わりに「今回のコンペではここまでを判断する」とスコープを狭めるのも手です。例えば最初は広告運用の体制と改善プロセスに絞って選定し、制作やSEOは別途検討するといった進め方もできます。

価格だけで決めて運用が回らなくなる

手数料が安いこと自体は悪ではありませんが、デジタル広告は改善の連続で成果が積み上がるため、運用工数が不足するとパフォーマンスが下がりやすいです。例えばリスティング広告の検索語句精査、広告文テスト、入札調整、LP改善連携などは、一定の頻度で回して初めて差が出ます。

ディスプレイ広告やSNS広告では、さらにクリエイティブ検証が必要です。制作が別費用の場合でも、検証設計や改善提案が運用費に含まれているかは要確認です。見積の内訳が曖昧な場合は、「月次で実施する運用タスク」と「制作・分析・改善提案の範囲」を具体的に出してもらうと比較しやすくなります。

コンペの勝者は「安い会社」ではなく、「同じ予算で成果が上がる確率を高められる会社」です。

アカウント移管と計測でつまずく

乗り換え時に多いトラブルが、媒体アカウントやタグの引き継ぎです。例えばGoogle広告やMeta広告のアカウントが代理店保有で、過去データや学習が引き継げないと、短期的にCPAが悪化することがあります。これを避けるには、可能な限り広告主保有にする、難しければ移管スケジュールとリスクを事前に合意することが重要です。

計測も同様です。GA4やGTMの管理権限が分散していたり、コンバージョン定義が曖昧だったりすると、代理店が変わったタイミングで数字が変わって見え、成果評価ができなくなります。コンペ時点で「計測が問題ないかを最初に検証する」提案が出てきた場合、それ自体はむしろ健全なサインと捉えるとよいでしょう。

加えて、昨今はプライバシー規制やブラウザ制限の影響で、計測の前提が変わり続けています。代理店が、同意管理や計測の限界を理解したうえで、どの指標で最適化するかまで設計できるかは、デジタルマーケティングのパートナー選定で大きな差になります。

デジタルマーケティングの広告代理店コンペにおけるよくあるご質問

広告代理店コンペは何社呼ぶのが適切ですか?

比較の精度と運営負荷のバランスを考えると、3〜5社が現実的です。2社だと比較軸が偏りやすく、6社以上だと質疑対応や評価が回らず、社内の意思決定が遅れがちになります。候補が多い場合は、RFIで事前に絞り込み、RFPは3〜5社に配布する流れが進めやすいです。

また、同じ土俵で比較するために、候補会社のタイプを揃えることも意識します。例えば「総合支援型」と「運用特化型」が混ざると、提案の粒度が違いすぎて比較しづらいことがあります。貴社が求める支援範囲(広告運用中心か、制作・SEO・サイト制作まで含むか)に合わせて、候補のタイプを揃えると判断しやすくなります。

コンペの期間はどれくらい見ておくべきですか?

目安としては、準備〜決定まで4〜8週間程度、移管と立ち上げにさらに2〜4週間程度を見ておくと安全です。スケジュールは短くもできますが、RFPの質が下がると比較できず、結局やり直しになることもあります。

特に注意したいのは、制作(バナー・動画・LP・サイト制作)を含める場合です。制作を含むと提案と実行の間に工程が増えるため、開始希望日に間に合わせるには、どこまでをコンペで決めるのかを絞る必要があります。まずは広告運用の体制と計測を固め、制作は並走で進めるなど、現実的な切り分けも検討するとよいでしょう。

既存代理店にコンペをどう伝えればよいですか?

既存代理店への伝え方は、関係性と契約条件によって最適解が変わりますが、基本は「改善したい課題」と「検討スケジュール」を事実ベースで共有し、感情的な対立を避けることが重要です。契約上の解約予告期間や、アカウント・制作物の取り扱いも合わせて確認します。

また、既存代理店に参加してもらうかどうかも判断ポイントです。参加してもらう場合は、他社と同条件でRFPを配布し、評価基準も同じにします。参加してもらわない場合は、移管に必要な情報(アカウント権限、タグ、入稿資産、レポートの元データなど)をどのタイミングで、どの形式で受け取るかを早めに取り決めるとトラブルを防げます。

まとめ|コンペ設計と準備で失敗しない代理店選定を

本記事では、広告代理店コンペを成功させるための設計・進行のポイントをご紹介しました。コンペは単なる業者比較ではなく、自社のKPIと要件を明確に前提化し、比較可能な条件で候補会社を評価するプロセスです。以下のような視点で進めると、透明性が高く成果につながる選定ができる可能性が高まります。

  • 目的と評価基準の言語化:成果指標(KGI/KPI)を明確にし、提案の比較軸を揃える
  • 対象範囲の切り分け:施策・媒体ごとに範囲を定義し、評価可能な条件に整理する
  • 候補会社リストアップ:検索・生成AI・比較サイト・紹介など複数チャネルを活用し、質と量のバランスで候補を揃える
  • 提案依頼書(RFP)の設計:必須項目・任意項目を整理し、比較しやすいフォーマットで提出依頼
  • 評価と面談の分離:提案内容とプレゼンを分けて評価することで、戦略性と実行力を判断
  • 移行フェーズの設計:契約後のアカウント移管やデータ引き継ぎ設計まで含めた計画が事故防止につながる
  • これらのステップを丁寧に設計し、比較可能性と透明性を高めるコンペプロセスを構築することが、代理店選定の成功につながります。

    当社では、本記事で解説したような広告代理店コンペの設計や評価基準の整理、RFP作成から候補会社の選定支援まで、第三者の立場での伴走支援を行っています。「コンペを実施したいが、何社に声をかけるべきか分からない」「評価軸が曖昧で社内合意が取れない」「現代理店との比較を公平に行いたい」といったお悩みも少なくありません。
    実際のご支援では、KPI設計・評価シート作成・提案内容の比較整理・面談時の論点設計までを含め、成果につながる代理店選定をサポートしています。まずは情報交換レベルでも構いませんので、現在の運用状況や検討段階についてお気軽にご相談ください。

    【記事監修者】デジタルマーケティング編集部
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