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初めての企業ブランディング【入門編】経営効果と成功ポイントなど基本概念を解説

「ブランディング」や「ブランド」という言葉を耳にしたことがあるけれど、しっかりとその意味や定義を説明できる方は少ないかと思います。企業ブランディングに関する書籍や事例などはたくさんありますが、どれも抽象的な話が多くて、調べるほどに分からなくなってしまう方もいるでしょう。

また、「ブランディングは大企業がやるもの。中小企業にブランディングは関係ない」と思っている方も多いかもしれません。

「当社にはブランディングが必要ない」「ブランディングで何が解決できるのか」などまだブランディングの必要性が顕在化されていない方向けに、本記事ではブランディングの定義や効果など基礎的な情報を解説いたします。

このような方におすすめの記事です

  • 「ブランディング」の基本的な定義や概念を知りたい
  • 自社にはブランディングが必要ないと思っている
  • 企業ブランディングによる経営効果や成功ポイントを知りたい

「ブランド」と「ブランディング」の定義

「ブランディング」や「ブランド」を考えるうえで、最初につまずきやすいのが「定義」についてです。書籍やサイトなどによって定義がバラバラであったりするので、「どの定義で解釈すればいいか分からない」という問題に突き当りがちです。

下記より「ブランド」と「ブランディング」の定義付けの例を記載していますが、いずれも抽象的な表現が多く、「具体的にはどんな活動や取り組みを指す」かが分かりにくいのが本音かと思います。

「ブランド」の定義はさまざまある

ケース1ブランドとは、顧客や社会にとって価値のあるすべてのものを指し、モノ(商品)だけでなく、サービスや空間、人や街など、さまざまなものを指す。

ケース2ブランドとは製品につける名前、ないしは名前がついた製品そのものをいう。転じて他と区別できる特徴を持ち価値の高い製品のことを指す。

ケース3ブランド(英: brand)とは、ある財・サービスを、他の同カテゴリーの財やサービスと区別するためのあらゆる概念を指す。

ケース4企業・組織とステークホルダーを結ぶ「絆」を指す。

「ブランディング」の定義もさまざまある

ケース1ブランディングとは、ある商品やサービスのコンセプトを特定のユーザーに価値があると認識させ、市場でのポジショニングを築くマーケティング戦略である。

ケース2ブランディングとはブランド構築のための組織的かつ長期的な取り組みのことをいう。

ケース3企業が、自社や商品(サービス)に対しての、顧客にとって価値のあるブランド(信頼性や共感など)を構築するための活動を意味する。

ケース4その対象が持つ特徴や精神をイメージ化したモノ。特に同業他社との差別化を具現化する為の様々な概念やイメージ。

当社の考える「ブランド」と「ブランディング」の定義

当社の場合は、ブランドを“らしさ”と定義しました。 そして、ブランディングは“らしさ”の発信や浸透を行う活動全般と考えます。

ブランドの定義
“らしさ”
ブランディングの定義
“らしさ”の発信や浸透を行う活動全般

この「らしさ」を考えるうえで大切なのが、「らしさは、その企業オリジナルなものである」ことです。人にも個性やキャラクターがあるように、企業にも一社一社の個性や特徴があります。この個性や特徴などをしっかりと汲み取ることで、企業独自の「らしさ」がつくられてきます。他の企業でも当てはまってしまうような「らしさ」では、ブランドにはなりません。

ただし、様々な定義や考え方がありますので、ひとつの参考として捉えていただければと思いますが、当社では企業や商品のもつ良い“らしさ”こそブランドであると考えています。

ブランドを「らしさ」と言い換えてみる

ここでは難しく考えずに、ブランドを「らしさ」と言い換えてみます。「○○社らしさ」「△△社らしい商品」など、「らしさ」と言い換えると分かりやすくなるからです。また、「らしさ」は企業だけでなく個人にも当てはまります。「□□さんらしい服装」「××さんらしい発言」など、「らしさ」は私たち一人ひとりにも当てはめて考えられることに気が付くはずです。

当社では、ブランドを「らしさ」と定義して、「らしさを形づくり、継続的に社内外にらしさを発信する活動」をブランディングだと考えています。

「らしさ」にはマイナス面もある?

ただし、「らしさ」にはマイナス面でも使われる言葉です。「デザインがイマイチで○○社らしい」など、その企業や商品にはマイナス面の「らしさ」がラベリングされてしまいます。ブランディングを行ううえで大切なこととして、企業や商品・サービスなどのプラス面にスポットライトを当ててブランドをつくっていくことが挙げられます。

これはマイナス面を隠すのではなく、プラス面の「らしさ」こそがブランドに、さらに磨きあげていくことで、より輝きのあるブランドとなるからです。もちろん、マイナス面はしっかりと改善しなくてはいけないのは言うまでもありません。

ワンポイント豆知識

「ブランド」の語源は焼き印で区別すること

ここで少し豆知識をご紹介します。「ブランド」の語源をたどると、牧場で放牧されていた牛に焼き印をつけることで、誰の牛かを明確にすることが由来だと言われています。そして、焼き印を押す人や使う道具のことを「Brander」と表記したのが、現在の「Brand」につながっているそうです。

「ブランド」「ブランディング」のまとめ

ここまでお読みいただき、「ブランド」や「ブランディング」の輪郭が少し明確になってきたかと思います。まず大切なのは難しく考えずに、ブランドを「らしさ」と言い換えてみることで、整理しやすくなるかもしれません。
そして、一社ごとのオリジナルの「らしさ」を形づくり継続的に発信していくことが「ブランディング」だということをお伝えできればと思います。

中小企業にブランディングが必要な理由

ここからは、ブランディングがどのような企業に必要なのかをお伝えしていきます。結論からお伝えすると、中小企業や地方企業・スタートアップ企業にこそブランディングが必要だと言えます。その理由をお伝えする前に、ブランディングがなぜ注目されているかの理由をお伝えします。

ブランディング需要を加速させる市場背景

情報過多 広告や情報が受け手に届きにくい時代
現代は「情報過多の時代」と言われるほど、ありとあらゆる情報が氾濫しています。オンライン・オフライン問わずつねに広告などの情報があふれ、必要な情報・欲しい情報が埋もれてしまうこともしばしばです。
供給過多 商品やサービスがあふれて供給過多気味
「情報過多の時代」と同時に「供給過多の時代」でもあると思います。あらゆるサービスや商品で満たされ、また各商品やサービスの違いも明確に打ち出すのが難しいのが現状です。
人材難 欲しい人材が獲得しにくい時代
少子高齢化の影響もあり、「働き手不足」「人手不足」がさけばれています。またせっかく人材を獲得しても育成途中で離職してしまったりと、人材への投資がムダになるケースも見受けられます。

課題解決へのアプローチ例

上記の課題を踏まえて、なぜブランディングが必要なのか下記にまとめています。

ブランディングが有効な手段

ブランディングで得られる社内外への効果

ブランディングがもたらす企業経営へのメリット

ここでは、ブランディングテクノロジー独自の「ブランドファースト」のフレームワークを用いて経営を考えてみます。

ボーリングのセンターピンのように、経営の起点には必ず「ブランド」があると考えるのが「ブランドファースト」です。まず初めに自社のらしさであるブランドをつくることで、ブレない経営ができるようになります。

当社独自のフレームワーク「ブランドを起点に置いたブランドファースト経営」
ブランディングを全体像から考える
社内外への効果

「インナーブランディング」と「アウターブランディング」とは

聞きなれないかもしれませんが、「インナーブランディング」「アウターブランディング」という言葉があります。インナーブランディングは対社内に向けたブランドの浸透活動全般を指し、アウターブランディングは対社外に向けたブランドの浸透活動全般を指します。

一般的にブランディングと聞くと、「対社外に対する浸透活動(アウターブランディング)」をイメージしがちですが、「対社内に向けた浸透活動(インナーブランディング)」も重要です。この二つの両輪がしっかりと組み合わさることで、ブランディングの効果が一気に加速します。

ブランディングを2つの観点から考える
インナーブランディング効果

インナーブランディングには、おもにスタッフのエンゲージメントを高める効果が期待できます。自社の価値観や考え方、判断基準や行動基準などをしっかりと定めておくことで、自社にとってベストな考え方や行動が明確になり、スタッフが働きやすくなるからです。

また自社のミッション・ビジョン・バリューが明確であれば、働くスタッフも「やるべきこと」が分かりやすくなるので、迷うことなく成長していけます。結果的に、働きやすい企業となるのでエンゲージメントが高まり、組織力が強化されます。

アウターブランディング効果

お客様やパートナーなど、外部に対してブランドを浸透させていくアウターブランディングは、「らしさ」をつくるうえでも大切な役割を果たしてくれます。自社のブランドを繰り返し発信していくことで、お客様やパートナーなどに「A社は○○な会社だ」という意識が芽生え、蓄積されていくはずです。その蓄積された意識こそがブランドとして機能し、「A社=○○だ」と認識してもらえるようになります。

外部へ向けたメッセージを発信し続けることで好感が持てるブランドイメージが付けば、お客様やパートナーと良い関係が築け、営業力の強化につながり、採用面でも欲しい人材を獲得できる可能性が高まります。

企業タイプ別ブランディング効果

一言でブランディングと言っても、企業の業態や特徴ごとにさまざまなタイプがあります。こちらでは、企業のセグメントを区切ってブランディングを解説していきます。

地域・地方企業 ますは地域や地方企業のブランディングについて考えてみます。
商圏がある程度限られている地域企業や地方企業にとって、いかにそのエリアに深く根ざしていけるかが事業成長のカギとなります。エリア内で正しく認知され、エリアになくてはならない企業になるためにもブランディングで自社のスタンスをしっかりと明示しておくことが大切です。
B2B企業 B2B事業を展開している企業にとって、取引先やパートナーとして選ばれる企業になるためにブランディングが必要になります。
自社のブランドを明確に打ち出し、そのブランドに共感してもらうことで良い取引先やパートナーとの協業が実現します。下請け構造から脱却し、ビジネスを優位に進めるうえでもブランディングが活躍してくれます。
ベンチャー企業 企業として歴史が浅く、勢いに頼りがちな面もあるスタートアップ企業やベンチャー企業には、ブランディングで明確なミッション・ビジョン・バリューを定めることが大切です。
明確なミッション・ビジョン・バリューを定めることで、目指すべき方向や自分たちの存在価値、強みが明確になり、社内外問わず共有することができるからです。スタートアップ企業やベンチャー企業にとっては、ブランディングが成長エンジンの役割を果たしてくれます。
SDGs
参画企業
近年、話題になっているSDGs(持続可能な開発目標)ですが、これもブランディングと深く関係しています。
社会から必要とされ長く愛される企業を目指すのならば、企業規模に関わらず自社だけの利益を得るのではなく、社会における利益も追及していく必要があります。「自社の持つ価値や強みで解決できる社会課題」を洗い出し、社会へ貢献する姿勢を打ち出していくことは、長く愛されるブランドになるための必要条件です。
企業成長フェーズ別ブランディング効果

次に、企業の成長フェーズからブランディングを考えてみます。企業がどのフェーズにあたるかにより、重視するポイントや施策内容が変わってきます。

ブランディングを成長フェーズから考える
創業期 創業間もないベンチャー企業やスタートアップ企業では、これからの未来をどう描くかを中心に考えながらブランドを構築していきます。創業者の想いや起業の背景、実現したい目標をまとめて見える化することは、その想いや目標を共有し合うことにもなります。このフェーズでもブランディングは、企業の軸をつくることになるので、ブレることなくまっすぐに成長しやすくなります。
成長期 事業が軌道に乗り出し成長期に入ってくると、スタッフを積極的に採用し始めます。人数が増えてくると、いわゆる「30人の壁」が立ちはだかってきます。「スタッフ一人ひとりとのコミュニケーションが不足する」「創業期からいるスタッフと中途入社のスタッフの間に溝ができる」状態が発生してきます。その状態のままスタッフだけが増えていくと、組織の統制がとれなくなり成長の足を引っ張りかねません。ブランディングを実施することで、新しく入社したスタッフにも「らしさ」を継承するためのブランドを構築しましょう。
安定期 事業が成熟してくると企業は安定期に入ります。経営が安定するのはは良いことですが、その反面、新しいチャレンジやイノベーションが起きにくくなります。新しい変化をつくりさらに企業成長を加速させるためにも、チャレンジやイノベーションを賞賛する企業文化のブランドを構築しましょう。
衰退期 やがて、企業が衰退するタイミングが来るかもしれません。小手先の施策では応急処置にしかならず、根本的な変化を起こす必要があります。このタイミングでのブランディング施策の一例に、社名変更があります。やや荒治療かもしれませんが、出直しする覚悟で抜本的なブランド変更・構築をすることで、企業としての本気度を示すことができます。

ブランディング効果のまとめ

中小企業や地方企業、ベンチャー企業などのほとんどが、「営業力の向上」「採用力の向上」「組織力の向上」に課題を抱えています。「ブランドファースト経営」の考え方では、それぞれの課題に個別の解決策を行うのではなく、ブランドを軸に解決策を当てていきます営業も採用も組織力も、ブランドがなければ一貫性が保てません。ブランドがなければ、その場しのぎの応急処置でしかなく、根本的な解決が図れません。

「らしさ」に共感してくれるお客様やパートナーなどが増えれば、それだけ安定的なビジネスがしやすくなります。ブランディングを通じてファンが増えることは、経営の安定に寄与してくれるでしょう。

インナーブランディングでもアウターブランディングでも、その起点となるブランドがあってこそです。ブランドファーストで企業や経営を考え、ブランドを社内外に繰り返し発信していくことが重要です。

中小企業ブランディングの成功ポイント

一見、例示した課題とブランディングに関係性があるようには思えないかもしれませんが、実際にはこれらの課題とブランディングの相性は抜群です。

特に中小企業や地方企業、スタートアップ企業は、例示した悩みや課題を抱えがちです。「広告費ばかりかさむけれど成果につながらない」「他社のサービスや商品との差別化が図れない」「欲しい人材が採用できない」というお声をよく耳にします。

大手企業ならば投資予算も豊富ですし、ノウハウやナレッジを持った人材を採用しやすいので、これらの課題を解決しやすいかもしれませんが、中小企業や地方企業、スタートアップ企業では簡単には解決できない課題ばかりです。一つずつ課題解決の考え方をご紹介していきます。

伝えたい情報を一貫して繰り返し伝える

ブランディングでは「一貫性」が重要です。伝えたいメッセージ(言葉のメッセージだけに限らず、デザインや企業の姿勢なども含みます)を定めて、それを繰り返し伝えていくことで、徐々にブランドが浸透・蓄積していきます。

一番いけないのは一貫性のなさです。メッセージがコロコロと変わってしまうと、受け手側の中にブランドが蓄積されません。まずは自社や商品・サービスのブランドを定めて、それを繰り返し反復しながら伝えていきましょう。

商品やサービスをブランド化しストーリーを付加価値にする

「供給過多の時代」に、商品やサービスの差別化を図ることは、容易ではありません。その企業のどの商品・サービスを使用しても、得られるメリットや結果に大きな差がないためです。

そこで商品やサービスの「モノ」に着目するのではなく、商品やサービスを使うことで得られる「コト」を大切にしましょう。「この商品・サービスだからこそ得られるコト」をつくることで、受け手側に特別な体験を与えることができます。

その「コト」がまさにブランドにとってのストーリーとなります。

企業ブランドを明確にして共感型の採用にする

企業側と応募者側のミスマッチを防ぐのは簡単ではありません。採用サイトや採用ページに求人内容や応募条件・待遇などを記載しても、その企業に合う・合わないを判断することは応募者にとっては難しいでしょう。

また企業側が美辞麗句を並べても、いざ入社した後に理想と現実のギャップに苦しむことになりかねません。

その点、ブランディングによってその企業の価値観や世界観、企業姿勢などを明確化しておけば、企業側も応募者に自社を正しく伝えられ、応募者側も企業を正確に把握することができます。

求人内容や応募条件・待遇だけの採用では、その企業への愛着が生まれにくく、条件の良い企業があればそちらに転職してしまいがちです。でも、共感型採用だと愛着が生まれやすいので離職率を下げる効果も期待できます。

まとめ

最後にここまでの要点をまとめていきます。以下の点を抑え、実践することでブランディングの基礎力を身につけていきましょう。

  • 最初に「ブランディング」や「ブランド」の定義を押さえる
  • 企業や商品のもつ“らしさ”こそブランドになる
  • ブランディングでは「一貫性」を持った継続的な発信が重要
  • 「この商品・サービスだからこそ得られるコト」が付加価値になる
  • 企業ブランドを明確にすることで共感型の採用が生まれやすい
  • ブランドを起点に置いた「ブランドファースト」の考え方で全体像を抑える

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